骨格性下顎前突症患者における閉口筋EMGパワースペクトラム分析 顎矯正手術前・後の比較

「緒言」骨格性不正咬合や顔面非対称などの顎顔面変形症の成因については, 不明な点が多く, 種々の要因のうち機能的な影響も強く受けていると思われる1-3). われわれは, 顎顔面変形症(骨格性下顎前突症)患者に持続的最大かみしめを行わせ, 咀嚼筋(咬筋, 側頭筋)の疲労過程において, 筋線維タイプ分布や発火頻度と関連があるといわれているEMGパワースペクトラムと筋活動量について解析し, 報告した4). 今回, 顎顔面変形症の機能的な成因を調べるために, EMGパワースペクトラムと筋活動量について同一の方法で顎矯正手術前と術後で比較をしたので報告する. 対象および研究方法 対象 対象は, 当科で顎...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 24 - 30
Main Authors 山口, 万枝, 中村, 康宏, 竹内, 啓人, 福田, 廣志, 北川, 善政, 式守, 道夫, 橋本, 賢二, 松下, 文彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本顎変形症学会 30.04.1997
日本顎変形症学会
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ISSN0916-7048
1884-5045
DOI10.5927/jjjd1991.7.24

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Summary:「緒言」骨格性不正咬合や顔面非対称などの顎顔面変形症の成因については, 不明な点が多く, 種々の要因のうち機能的な影響も強く受けていると思われる1-3). われわれは, 顎顔面変形症(骨格性下顎前突症)患者に持続的最大かみしめを行わせ, 咀嚼筋(咬筋, 側頭筋)の疲労過程において, 筋線維タイプ分布や発火頻度と関連があるといわれているEMGパワースペクトラムと筋活動量について解析し, 報告した4). 今回, 顎顔面変形症の機能的な成因を調べるために, EMGパワースペクトラムと筋活動量について同一の方法で顎矯正手術前と術後で比較をしたので報告する. 対象および研究方法 対象 対象は, 当科で顎顔面非対称を伴わない骨格性下顎前突症と診断され, 顎矯正手術として両側下顎枝矢状分割術(Obwegeser-Dal Pont法に準ず)を行い, Miniplateで骨片固定を行った18名(以下, P群). 内訳は男性8名, 女性10名で, 年齢は16歳から35歳, 平均年齢は23.1歳であった. 後方移動量は, 左右ともに平均7mmであった. 全て術前, 術後の歯科矯正治療を受けており, Miniplateによる骨片固定期間は, 5か月から13か月で, 平均7.7か月であった.
ISSN:0916-7048
1884-5045
DOI:10.5927/jjjd1991.7.24