家族中心療育サービスの実際 担当児を通して

「小児理学療法への転換」「はい. 明日から小児部門の理学療法士として頑張ります!」元気良く小児の外来を一日中行う部門に飛び込んだ. 理学療法士免許を取り, 総合病院に勤め初めて2年目の秋であった. しかし, そこには理学療法効果の見えにくい, 訓練を他動的に受けている脳性まひを持つこどもと, 傍らで40分間じっと訓練の様子を見ている親がいた. いったい何を目標に何をしていけばいいのか. 親はどう思ってみているのか. いつまで続ければいいのか. その年の年末の大掃除は発熱で欠席した. こども中心療育サービスがさらに進化した家族中心療育サービスの考えに出会ったのはそれから実に8年後であった. 両親...

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Published in理学療法学 Vol. 33; no. 8; pp. 482 - 483
Main Author 小野寺, 牧子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士学会 20.12.2006
日本理学療法士協会
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ISSN0289-3770
2189-602X
DOI10.15063/rigaku.KJ00004482406

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Summary:「小児理学療法への転換」「はい. 明日から小児部門の理学療法士として頑張ります!」元気良く小児の外来を一日中行う部門に飛び込んだ. 理学療法士免許を取り, 総合病院に勤め初めて2年目の秋であった. しかし, そこには理学療法効果の見えにくい, 訓練を他動的に受けている脳性まひを持つこどもと, 傍らで40分間じっと訓練の様子を見ている親がいた. いったい何を目標に何をしていけばいいのか. 親はどう思ってみているのか. いつまで続ければいいのか. その年の年末の大掃除は発熱で欠席した. こども中心療育サービスがさらに進化した家族中心療育サービスの考えに出会ったのはそれから実に8年後であった. 両親の理学療法への能動的参加が, こどもの能動的活動を実現させ, 両親, そして理学療法士を変える, という経験をした. 悩み続けていた私の臨床意志決定過程の中に救世主のように入り込んできた家族中心療育サービス, こどもの声を聴こうとすると避けて通れない「家族」に対する理学療法のありかたについて担当児を通して考える.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00004482406