当院における心筋梗塞患者の外来心臓リハビリテーション参加継続に関わる因子の検討

<目的>  当院の急性期心臓リハビリテーション(心リハ)を完了した心筋梗塞患者を対象に、退院後の外来通院による回復期心リハへの参加継続に関わる因子を検討すること。 <方法>  2008年4月~2011年4月までに、当院リハビリテーション科において入院期の急性期心リハプログラムを完了した急性心筋梗塞患者67名(年齢64.3±11.1歳:男性59名、女性8名)を対象に、外来通院による回復期心リハを発症後3ヶ月以上継続できた継続群28名と、継続できなかった脱落群39名に分類し、各群の背景因子について診療記録に基づき後方視的に検討した。さらに、脱落群を入院期のみ心リハを施行した...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 406
Main Authors 高宗, 直樹, 高野, 智王, 伊藤, 祐輝, 渡辺, 慎太郎, 守屋, 大輔, 木本, 雅子, 樋口, 佳子, 青木, 健, 野中, 聡, 鈴木, 美香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.406.0

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Summary:<目的>  当院の急性期心臓リハビリテーション(心リハ)を完了した心筋梗塞患者を対象に、退院後の外来通院による回復期心リハへの参加継続に関わる因子を検討すること。 <方法>  2008年4月~2011年4月までに、当院リハビリテーション科において入院期の急性期心リハプログラムを完了した急性心筋梗塞患者67名(年齢64.3±11.1歳:男性59名、女性8名)を対象に、外来通院による回復期心リハを発症後3ヶ月以上継続できた継続群28名と、継続できなかった脱落群39名に分類し、各群の背景因子について診療記録に基づき後方視的に検討した。さらに、脱落群を入院期のみ心リハを施行した外来不参加者32名とそれ以外の7名に分類し、背景因子および脱落理由についても同様に検討した。 <結果>  継続群と脱落群で性別、年齢ともに差は認められなかった。Peak CK値や入院期間、就労の有無についても差は認められなかったが、継続群に比べて脱落群で、心リハ開始病日が早く(p<.05)、左室駆出率が高値であり(p<.05)、居住地が当院所在地と異なることが多かった(p<.05)。脱落群において、外来不参加者とそれ以外での背景因子については有意差は認められず、脱落理由については自己都合が最も多く、その他では遠方による通院困難、復職、心筋梗塞再発等であった。 <考察>  本研究の結果では、心リハ開始病日や左室駆出率は外来通院による心リハを継続するための阻害因子とはならず、居住地が遠方という物理的要因が阻害因子となることが示唆された。一方、脱落群の脱落理由については自己都合が多数であり、その詳細については今後さらなる検討が必要である。
Bibliography:2J-B-9
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.406.0