当院の回復期心臓リハビリテーションにおけるレジスタンストレーニング導入の効果

<目的>  当院の心筋梗塞患者を対象とした回復期心臓リハビリテーションにおけるレジスタンストレーニング導入の効果を検証すること。 <対象>  2008年7月~2011年5月までに、当院リハビリテーション科において入院期の急性期心リハを実施した急性心筋梗塞患者86名のうち、外来通院による回復期心リハを少なくとも発症後3ヶ月以上継続できた27名(63.9±10.9歳;男性24名、女性3名)を対象とした。 <方法>  回復期心リハにおいて通常の運動療法プログラムのみを実施した対照群13名と、通常の運動療法プログラムに加えてレジスタンストレーニング(RT)を実施したRT群14名の運動機能や運動耐容能等...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 405
Main Authors 青木, 健, 野中, 聡, 高宗, 直樹, 渡辺, 慎太郎, 守屋, 大輔, 高野, 智王, 伊藤, 祐輝, 鈴木, 美香, 樋口, 佳子, 木本, 雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.405.0

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Summary:<目的>  当院の心筋梗塞患者を対象とした回復期心臓リハビリテーションにおけるレジスタンストレーニング導入の効果を検証すること。 <対象>  2008年7月~2011年5月までに、当院リハビリテーション科において入院期の急性期心リハを実施した急性心筋梗塞患者86名のうち、外来通院による回復期心リハを少なくとも発症後3ヶ月以上継続できた27名(63.9±10.9歳;男性24名、女性3名)を対象とした。 <方法>  回復期心リハにおいて通常の運動療法プログラムのみを実施した対照群13名と、通常の運動療法プログラムに加えてレジスタンストレーニング(RT)を実施したRT群14名の運動機能や運動耐容能等の経時変化について、診療記録(カルテ)に基づき後方視的検討をおこなった。RTについては、個々の整形外科疾患や神経疾患等の有無を確認し、能力的に可能であるか否かを心リハスタッフが判断した上で患者本人へ説明をおこない、同意の得られた者に対して導入した。主な評価項目は発症後1、3、5ヶ月の時点における目標心拍数(THR)と運動療法中の自転車エルゴメータ負荷量(watt)とした。負荷量については内服状況や運動時の自他覚症状の変化に基づき、Karvonen式で概ねk=0.3~0.6の範囲で設定し、適宜見直しをおこなった。 <結果と考察>  発症時の年齢やPeak CK値、在院日数、外来通院期間および回数等については2群間に有意差は認められなかった。両群ともに外来フォロー期間中のTHRには有意な変化はみられず、RT群のみ発症後1ヶ月と5ヶ月時点での比較においてk値ならびに負荷量の有意な増加が認められた。また2群間の負荷量の比較では3、5カ月時点においてRT群が有意な高値を示した。以上のことから、当院におけるRTプログラムは心筋梗塞患者の回復期における運動耐容能の改善に有用であると思われた。
Bibliography:2J-B-8
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.405.0