NKT細胞産生IL-17のコラーゲン誘発性関節炎(CIA)発症への関与

【目的】CIA発症におけるNKT細胞の役割を明らかにすることを目的とした。【方法】1) NKT細胞欠損マウス(Jα281-/-)におけるCIAの発症を野生型マウス(B6)と比較した。2型コラーゲン(CII)免疫により関節炎を誘導後、関節炎発症率および重症度を測定した。2) CIIに対する免疫応答をJα281-/-とB6マウス間で比較した。CII免疫後の脾細胞をin vitro においてCII刺激を行い、産生されるIFN-γ、IL-4、IL-10、IL-17をELISAで測定した。3) 2)の結果を踏まえ、NKT細胞とIL-17の関与を明らかにするため、in vitroにおいてNKT細胞をリガン...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 39
Main Authors 松本, 功, 住田, 孝之, 伊藤, 聡, 後藤, 大輔, 堤, 明人, 吉賀, 洋平, 真村, 瑞子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.39.0

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Summary:【目的】CIA発症におけるNKT細胞の役割を明らかにすることを目的とした。【方法】1) NKT細胞欠損マウス(Jα281-/-)におけるCIAの発症を野生型マウス(B6)と比較した。2型コラーゲン(CII)免疫により関節炎を誘導後、関節炎発症率および重症度を測定した。2) CIIに対する免疫応答をJα281-/-とB6マウス間で比較した。CII免疫後の脾細胞をin vitro においてCII刺激を行い、産生されるIFN-γ、IL-4、IL-10、IL-17をELISAで測定した。3) 2)の結果を踏まえ、NKT細胞とIL-17の関与を明らかにするため、in vitroにおいてNKT細胞をリガンドであるα-GalCerで刺激した。脾臓細胞をα-GalCerで刺激後、産生されるIL-17をELISAで測定すると共に、細胞内IL-17染色(FACS)を行った。【結果】1) 関節炎発症率および重症度共に、Jα281-/-マウスで低値を示した。 2) CII特異的免疫応答において、IL-17産生がJα281-/-マウスで低下しており、その他のサイトカインについてはB6と有意な差は見られなかった。3) α-GalCerで刺激することでNKT細胞自身がIL-17を産生することが明らかになった。【結論】関節炎発症において、病態形成に重要とされるIL-17産生にNKT細胞が直接的に寄与している可能性が示唆された。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.39.0