東日本大震災三重県医療救護班活動報告
<はじめに>3月11日に東日本大震災が発生し、三重県は医療支援として岩手県陸前高田市米崎地区へ3月18日より医療救護班を派遣している。医療救護班の一員として薬剤師も活動しているが、災害派遣の経験がある薬剤師は少なく戸惑う事も多くあった。今回の経験(派遣期間;4/28-5/3;実働4日間)を今後の災害時に生かせるよう支援活動について報告する。 <被害状況>(陸前高田市)総人口:24,246人、死亡者933人、行方不明者805人 総世帯数:8,068世帯、被災世帯数:3,845世帯(4月25日現在) <活動内容>岩手県立高田病院は地域で中核を担う病院であったが被災にて機能を失い、米崎コミュニティー...
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          | Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 114 | 
|---|---|
| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本農村医学会
    
        2011
     THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE  | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 1880-1749 1880-1730  | 
| DOI | 10.14879/nnigss.60.0.114.0 | 
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| Summary: | <はじめに>3月11日に東日本大震災が発生し、三重県は医療支援として岩手県陸前高田市米崎地区へ3月18日より医療救護班を派遣している。医療救護班の一員として薬剤師も活動しているが、災害派遣の経験がある薬剤師は少なく戸惑う事も多くあった。今回の経験(派遣期間;4/28-5/3;実働4日間)を今後の災害時に生かせるよう支援活動について報告する。 <被害状況>(陸前高田市)総人口:24,246人、死亡者933人、行方不明者805人 総世帯数:8,068世帯、被災世帯数:3,845世帯(4月25日現在) <活動内容>岩手県立高田病院は地域で中核を担う病院であったが被災にて機能を失い、米崎コミュニティーセンターを仮設診療所として開設した。現在、高田病院の職員は陸前高田市の米崎地区を始め、すべての地区の保健医療の情報を集約し指揮をとることを主な仕事としているため、仮設診療所は三重県医療救護班が中心となり、外来診療を行っている。三重県の薬剤師は、当初主に調剤業務に携わっていた。しかし、4月4日より調剤薬局が仮設診療所内に開設され、院外処方へと移行し、診療所内での調剤業務が終了したため、4月5日以降、診察前に患者の服用薬等の情報を収集し、医師への処方支援を行っている。 <まとめ>診療内容は、慢性疾患患者の診察ならびに投薬の希望が多かった。しかし、過去の診療録はなく、また医療救護班として派遣された医師の中には慢性疾患が専門外である医師も多い。そこで、記録がない中、患者への聴取にて過去の薬剤情報を収集できるのは薬剤師であり、まず診察前に介入し医師への処方支援を行うことは診療を円滑に進める事にも繋がり、薬剤師としての大きな役割を感じられた。業務内容は日々の経過と共に変化するが、薬剤師の任務は継続して期待されているという今回の貴重な体験をもとに、今後の災害時支援活動についても考えていきたい。 | 
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| Bibliography: | 1D-11 | 
| ISSN: | 1880-1749 1880-1730  | 
| DOI: | 10.14879/nnigss.60.0.114.0 |