秋田県における厚生連職員の喫煙状況について
<緒言>平成15年に健康増進法が施行され、日本医療機能評価機構により認定される良い病院の認定条件に「全館禁煙」が加えられた。禁煙について全国的に意識が高まっている現在、医療に携わる厚生連職員の喫煙の実態を探ることを目的として研究を行った。 <対象および方法>対象は秋田県厚生連職員男性867名・女性3,408名、計4,275名とし、喫煙に関するアンケート調査を行った。 <結果及び考察>対象背景を年代別にみると男性は50代、女性は40代が最も多くを占めており、各々30.1%・30.4%であった。職種別では男性は医局が29.1%と最も多く、次いで事務が23.6%で...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 274 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.56.0.274.0 |
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Summary: | <緒言>平成15年に健康増進法が施行され、日本医療機能評価機構により認定される良い病院の認定条件に「全館禁煙」が加えられた。禁煙について全国的に意識が高まっている現在、医療に携わる厚生連職員の喫煙の実態を探ることを目的として研究を行った。 <対象および方法>対象は秋田県厚生連職員男性867名・女性3,408名、計4,275名とし、喫煙に関するアンケート調査を行った。 <結果及び考察>対象背景を年代別にみると男性は50代、女性は40代が最も多くを占めており、各々30.1%・30.4%であった。職種別では男性は医局が29.1%と最も多く、次いで事務が23.6%で、女性は看護部が74.5%を占めていた。健康増進法第25条「受動喫煙防止のための措置」を知っている人は男性の30代が52.8%と最も低かった。次に20代は男女とも57.8%と知っている人は少ないという結果であった。日本医療機能評価機構により認定されるよい病院の認定条件に「全館禁煙」が加えられたことについて知っている人も男性の20・30代で各々44.1%・47.8%と低い状況であった。喫煙状況は現在喫煙男性43.5%・女性16.2%、以前喫煙各々23.3%・7.5%、非喫煙各々33.2%・76.2%であった。年代別にみると現在喫煙者は男性30代で50.8%と最も多く、年代とともにやめている人が増えていた。女性は20~40代で17~19%の人が吸っていた。職種別には男女とも看護部が男性68.7%・女性19.3%と最も多く、次いで栄養科であった。朝起きてから吸い始めまでの時間をみると、本数を多く吸う人ほど吸い始めの時間が早いという結果であった。吸い始めの時間が早いほどタバコの依存性が強いといわれているが、今回も同様の結果がみられた。どんな時に吸いたいと思うかについては男女とも飲酒時・食後・ストレスを感じた時が多く、特に女性はストレスを感じた時の割合が多くを占めていた。看護師の喫煙率が高いのは仕事上のストレスとの関係が強いと思われるため、その対策を工夫することは重要である。吸う時は家の人や他人が気になるかについては、男女とも各年代で8割前後が気にしながら吸っていた。たばこをやめた人にやめたきっかけや理由を聞くと、最も多いのが男性は健康のためが40.7%・女性は妊娠.出産が27.4%であり、次いで男性は病気、女性は健康のためが多かった。たばこをやめてよかった点については男女とも咳や痰が減った・食事がおいしくなったと答えた人が多かった。現在吸っている人に今まで禁煙を試みたことがあるか聞いてみると男女とも半数の人があると答えていた。禁煙を試みようと思っているかについて男性は各年代64.0%~74.0%、女性は20代以下で81.0%と最も多く他の年代は57.0%~66.0%の人がやめようと思っていることがわかった。今後タバコに関する取組に参加するかについては「是非したい」と「ややしたい」を合わせても男性は23.6%~28.6%、女性は15.6%~24.6%と少なかった。 <まとめ>病院は医療を扱った専門職の業種であり、一般の人よりも率先して禁煙に取り組むべき立場にある。今後は禁煙に向けての周辺の環境づくりや失敗しない方法を工夫していかなければならない。 |
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Bibliography: | 2E17 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.56.0.274.0 |