当院におけるネブライザー管理の現状

【目的】  当院では保管、消毒方法の統一化など、安全使用の画策を目的としてネブライザーの中央管理化を検討している。今回事前調査として、アンケート及び装置の現状を調査したので報告する。 【方法】  当院37病棟に対するアンケート調査および病棟配置しているネブライザー161台について定期点検を実施し装置の現状を調査した。 【結果】  アンケート調査の結果、総保有台数157台、月間総使用回数は2393回であり最も多い病棟は小児科の1350回であった。使用後の消毒は、83.3%が行っているという回答であり、そのうち95%が次亜塩素酸を使用した消毒法であった。使用前後の点検は、37.5%が行っているとい...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 361
Main Authors 上野, 信一, 小松崎, 達也, 高野, 真史, 福村, 浩一, 久松, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.361.0

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Summary:【目的】  当院では保管、消毒方法の統一化など、安全使用の画策を目的としてネブライザーの中央管理化を検討している。今回事前調査として、アンケート及び装置の現状を調査したので報告する。 【方法】  当院37病棟に対するアンケート調査および病棟配置しているネブライザー161台について定期点検を実施し装置の現状を調査した。 【結果】  アンケート調査の結果、総保有台数157台、月間総使用回数は2393回であり最も多い病棟は小児科の1350回であった。使用後の消毒は、83.3%が行っているという回答であり、そのうち95%が次亜塩素酸を使用した消毒法であった。使用前後の点検は、37.5%が行っているという回答であった。  点検調査の結果、本体破損が最も多く、消耗部品が2年以上交換されていない機器や、水を入れた状態で放置されたことでカビが発生している機器があった。また、保有している11機種161台中9機種91台が製造販売を終了しており廃棄対象機器となった。 【考察】  アンケート調査による保有台数と実際の保有台数に乖離があったことから病棟で保有台数を把握できておらず多くは倉庫に眠っていることが分かった。使用後の洗浄消毒については、多くが次亜塩素酸を使用した洗浄消毒方法であったが、濃度、消毒時間が統一されておらず正しい消毒方法について周知する必要性があると考えられる。使用前後の点検については、未実施の病棟が多く、消耗品の劣化や使用できない機器も見つかったことから早急なMEの介入が必要である。今回の調査により、保有しているネブライザーの半数が廃棄対象であった。その多くは使用されていない機器であり、安全性を考え今後病棟と協議し新規購入機種や必要台数を調査する予定である。 【結語】  ネブライザーは特定保守管理機器ではないが、装置を安全かつ効率よく使用するためには定期的な保守管理が必要である。
Bibliography:1J-D-15
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.361.0