心房細動症例における冠動脈評価は64列MDCTでどこまで可能か
<緒言>心拍数が不規則な心房細動(Af)は,16列MDCTではBanding artifactのため冠動脈の評価が困難であった.64列MDCTでは,X線管球回転速度の高速化およびコーン角を考慮した再構成方法を用いることで心拍変動が低減し,Banding artifactの減少により画質の向上を認めた. <方法>64列MDCT(0.625mm,回転スピード0.35秒/回)を用い,絶対値遅延を使用せず相対遅延(relative RR delay)を用いた方法で画像再構成を行いAf患者の冠動脈描出能の評価を試みた.動態ファントムを使用した基礎実験後に,平均心拍数100bpm以...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 55; p. 133 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2006
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
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ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.55.0.133.0 |
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Summary: | <緒言>心拍数が不規則な心房細動(Af)は,16列MDCTではBanding artifactのため冠動脈の評価が困難であった.64列MDCTでは,X線管球回転速度の高速化およびコーン角を考慮した再構成方法を用いることで心拍変動が低減し,Banding artifactの減少により画質の向上を認めた. <方法>64列MDCT(0.625mm,回転スピード0.35秒/回)を用い,絶対値遅延を使用せず相対遅延(relative RR delay)を用いた方法で画像再構成を行いAf患者の冠動脈描出能の評価を試みた.動態ファントムを使用した基礎実験後に,平均心拍数100bpm以下のAf患者連続24症例(24Pt×14 = 336 segs)において冠動脈評価を行った.また,RR-interval variation rate (RRIVR),すなわち撮像中の心拍変動変化率をRRIVR = (maximum RR interval-minimum RR interval) x 100 / maximum RR interval during the acquisitionと規定,個々の症例でRRIVRを算出し,A群(RRIVR <50% ),B群(RRIVR≧ 50%)に分けて検討を試みた. <結果>24例中23例にβブロッカーが前投与され,撮影時平均心拍数は,66.1±10.5bpmであった.全体としてのSegment毎の冠動脈評価可能は89.0%(299/336 segs),評価不能は11%(37/336 segs)であった.評価不能の原因としてMotion artifact 6.3%(21 segs),石灰化2.4%(8 segs),ECG miss trigger 1.8%(6 segs),Stent 0.6%(2 segs)であった. RRIVR分類のA群では,評価可能segmentが93.2% (274/294 segs),評価不可能segmentは6.8% (20/294 segs)であった.B群では,評価可能Segmentが59.5% (25/42 segs) ,評価不可能Segmentは40.5% (17/42 segs)であった.B群の評価不能原因としてMotion artifact 16.7%(7 segs),石灰化11.9%(5 segs),ECG miss trigger 9.5%(4 segs),Stent 2.4%(1 seg)であった. <考察>平均心拍数が100bpm以下で,撮像中の心拍数変動が少ないAf症例においてはβブロッカーの投与下における64列MDCTによる冠動脈評価の有用性が示唆された. |
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Bibliography: | 1G211 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.55.0.133.0 |