医療従事者からみた簡易血糖測定に使用する微量採血穿刺器具の問題点
【はじめに】厚生労働省通知「微量採血のための穿刺器具の取扱いについて」により、微量採血のため穿刺器具の適正使用が求められている。当院では、看護師が患者に簡易血糖測定を実施する際にジェントレットを使用していたが、一度使用した針が再使用できないジェントレット_II_に変更した。今回、針の周辺部分がディスポーザブルタイプ、器具全体がディスポーザブルタイプの異なる穿刺器具について医療従事者からみた使用感と問題点について検討を行った。 【方法】対象とする穿刺器具は、ジェントレットとBDセーフティランセットとした。平成20年7月に糖尿病を有する患者が主となる病棟に勤務する看護師、外来勤務看護師の25名に対...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 59; p. 416 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2010
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.59.0.416.0 |
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Summary: | 【はじめに】厚生労働省通知「微量採血のための穿刺器具の取扱いについて」により、微量採血のため穿刺器具の適正使用が求められている。当院では、看護師が患者に簡易血糖測定を実施する際にジェントレットを使用していたが、一度使用した針が再使用できないジェントレット_II_に変更した。今回、針の周辺部分がディスポーザブルタイプ、器具全体がディスポーザブルタイプの異なる穿刺器具について医療従事者からみた使用感と問題点について検討を行った。 【方法】対象とする穿刺器具は、ジェントレットとBDセーフティランセットとした。平成20年7月に糖尿病を有する患者が主となる病棟に勤務する看護師、外来勤務看護師の25名に対し、器具の使いやすさや針穿刺時の痛み等について無記名式のアンケート調査を実施した。 【結果】ジェントレットでは、1度の穿刺で十分な採血ができずに、複数回の穿刺が必要となることがあると答えた看護師は76%であった。BDセーフティランセットでは1回の穿刺で十分な採血ができたと回答した看護師が91%であった。またジェントレットの穿刺針を交換せずに、複数回使用したことがある看護師は36%存在した。穿刺時にBDセーフティランセットは全員が痛いと感じたが、ジェントレットでは痛みを感じない看護師もいた。 【考察】適正使用の目的は、針周囲に付着した血液が不特定多数の患者に触れることによる血液媒介感染を防ぐことにある。医療安全の観点からも、医療従事者が使用するジェントレットは同じ針が再使用できないジェントレット_II_を選択することが重要である。またBDセーフティランセットは、確実な採血が得られるかわりに、日に2~3回穿刺する患者にとっては指先の皮膚の創傷が多くなるとともに、痛みによる苦痛を訴えることが予想される。以上の点を考慮すると、救急センターなどでの不特定患者への1度きりの採血などに適していると考えられる。 |
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Bibliography: | P2-F1-7 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.59.0.416.0 |