ナビゲーションシステム支援下に間隙形成を施行した顎関節強直症の1例

目的:ナビゲーションシステムは外科的アプローチにとって有利な条件をもたらす。顎関節強直症には一般的に間隙形成が行われるが,顎関節領域の複雑な解剖構造のなかで重要臓器の保護は必須である。今回,ナビゲーションシステム支援下に顎関節強直症に対し間隙形成を安全に施行できたのでその概要を報告する。症例:患者は59歳男性,15 mmの開口域で開口障害を主訴に右顎関節強直症の疑いで紹介来院した。CT画像で右の骨性顎関節強直症を認め,術前にナビゲーション手術を綿密に計画した。結果:マーカーを貼付した状態のCTを撮影しナビゲーションシステムに位置情報を登録した。間隙形成する際に術野にポインターを当て手術操作の位...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 115 - 120
Main Authors 竹本, 隆, 前多, 雅仁, 山本, 翼, 阿知波, 基信, 片山, 良子, 栗田, 賢一, 小木, 信美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.08.2019
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.31.115

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Summary:目的:ナビゲーションシステムは外科的アプローチにとって有利な条件をもたらす。顎関節強直症には一般的に間隙形成が行われるが,顎関節領域の複雑な解剖構造のなかで重要臓器の保護は必須である。今回,ナビゲーションシステム支援下に顎関節強直症に対し間隙形成を安全に施行できたのでその概要を報告する。症例:患者は59歳男性,15 mmの開口域で開口障害を主訴に右顎関節強直症の疑いで紹介来院した。CT画像で右の骨性顎関節強直症を認め,術前にナビゲーション手術を綿密に計画した。結果:マーカーを貼付した状態のCTを撮影しナビゲーションシステムに位置情報を登録した。間隙形成する際に術野にポインターを当て手術操作の位置をリアルタイムに確認し,患側筋突起切除と間隙形成部の頰脂肪体移植を行った。重要臓器の回避をして手術を終えることができた。術後1年3か月の開口域は37 mmで,現在,開口訓練を続け,経過観察中である。結論:顎関節強直症手術において安全に施行できることでナビゲーションシステムの臨床的意義が示された。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.31.115