食道癌周術期感染性合併症と長期予後
食道癌に対する食道切除術は他の消化器外科手術と比較し侵襲度が高く,合併症の多い手術であったが,近年は胸腔鏡下手術やロボット支援手術の導入により低侵襲化が進んでいる。JCOG1109試験の結果から我が国において臨床病期Ⅱ期およびⅢ期胸部食道癌に対する標準治療は術前化学療法(ドセタキセル+シスプラチン+5-FU)+手術となった。また根治的化学放射線療法後の救済手術もガイドラインで推奨されるようになり,食道癌治療における手術療法の役割は大きい。食道癌術後感染性合併症は長期予後を悪化させる報告が散見され,メタ解析でも食道癌術後感染性合併症が長期予後を悪化させることが報告されている。食道癌患者の長期予後...
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Published in | 日本外科感染症学会雑誌 Vol. 21; no. 2-3; pp. 312 - 316 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本外科感染症学会
22.02.2025
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Subjects | |
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ISSN | 1349-5755 2434-0103 |
DOI | 10.24679/gekakansen.21.2-3_312 |
Cover
Summary: | 食道癌に対する食道切除術は他の消化器外科手術と比較し侵襲度が高く,合併症の多い手術であったが,近年は胸腔鏡下手術やロボット支援手術の導入により低侵襲化が進んでいる。JCOG1109試験の結果から我が国において臨床病期Ⅱ期およびⅢ期胸部食道癌に対する標準治療は術前化学療法(ドセタキセル+シスプラチン+5-FU)+手術となった。また根治的化学放射線療法後の救済手術もガイドラインで推奨されるようになり,食道癌治療における手術療法の役割は大きい。食道癌術後感染性合併症は長期予後を悪化させる報告が散見され,メタ解析でも食道癌術後感染性合併症が長期予後を悪化させることが報告されている。食道癌患者の長期予後改善のためにも食道癌術後感染性合併症を低減する努力が重要である。 |
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ISSN: | 1349-5755 2434-0103 |
DOI: | 10.24679/gekakansen.21.2-3_312 |