振動センサーを用いた検知装置で空気駆動式、体外設置型補助人工心臓の駆動状態をモニタリングする新たな方法

ニプロ補助人工心臓(VAD)の駆動チューブの外れや屈曲は血液ポンプの駆動停止に直結するが、これらの異常を検知する安全機構がない駆動装置が臨床で用いられているのが現状である。我々は振動センサーを駆動チューブに取り付けて血液ポンプの駆動状態を監視する外付けの検知装置を試作し、モック回路を用いてこの装置の動作について検証した。併せて、離脱目的でオフテストを施行する患者の駆動チューブに振動センサーを取り付け、ポンプ駆動停止中の装置の動作確認を行った。モック回路を使用した実験から、駆動条件や屈曲位置に関係なく、駆動チューブが駆動装置から外れた場合や完全に閉塞した場合はもちろんのこと、駆動チューブの不完全...

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Published in体外循環技術 Vol. 39; no. 4; pp. 415 - 421
Main Authors 小野, 稔, 久保, 仁, 山家, 智之, 西村, 隆, 杉谷, 弘文, 中村, 敦, 柏, 公一, 玉井, 久義, 許, 俊鋭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体外循環技術医学会 01.12.2012
日本体外循環技術医学会
Subjects
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ISSN0912-2664
1884-5452
DOI10.7130/jject.39.415

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Summary:ニプロ補助人工心臓(VAD)の駆動チューブの外れや屈曲は血液ポンプの駆動停止に直結するが、これらの異常を検知する安全機構がない駆動装置が臨床で用いられているのが現状である。我々は振動センサーを駆動チューブに取り付けて血液ポンプの駆動状態を監視する外付けの検知装置を試作し、モック回路を用いてこの装置の動作について検証した。併せて、離脱目的でオフテストを施行する患者の駆動チューブに振動センサーを取り付け、ポンプ駆動停止中の装置の動作確認を行った。モック回路を使用した実験から、駆動条件や屈曲位置に関係なく、駆動チューブが駆動装置から外れた場合や完全に閉塞した場合はもちろんのこと、駆動チューブの不完全な閉塞も検知させることが可能であることが確認された。オフテスト施行中の患者で装置の動作を確認したところ、自己心の拍動は振動の検知に対してまったく影響を与えないことがわかった。以上のことから、この検知装置はニプロVADの駆動状態を監視する装置として適用できる可能性があることが示唆された。
ISSN:0912-2664
1884-5452
DOI:10.7130/jject.39.415