64列MDCTでみる冠動脈プラーク (IB-IVUSとの比較

【緒言】冠動脈プラークの性状評価は,血管内超音波(IVUS)を用いるのが一般的で現在では後方散乱波解析を考慮したプラーク組織性状診断(IB-IVUS等)が併用されつつある.一方,CTにおけるgrey scaleでのプラーク視覚評価(ROIやprofile curve)には限界がある.新しい解析法を使用したプラークの性状評価が可能となった.【方法】狭心症患者3例に対しGE社AW 4.3のPlaque MapTMを利用し64列MDCT撮像後,1ボクセル毎に冠動脈プラークのカラー解析を施行した.Schroeder分類と対応させた当院独自のCT値境界と色調(-20~50HU:soft:黄~緑色の3階調...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 30
Main Authors 占部, 洋司, 山口, 裕之, 藤川, 光一, 前田, 幸治, 藤井, 隆, 國田, 英司, 関口, 善孝, 田崎, 直仁, 辻山, 修司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
Subjects
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.56.0.30.0

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Summary:【緒言】冠動脈プラークの性状評価は,血管内超音波(IVUS)を用いるのが一般的で現在では後方散乱波解析を考慮したプラーク組織性状診断(IB-IVUS等)が併用されつつある.一方,CTにおけるgrey scaleでのプラーク視覚評価(ROIやprofile curve)には限界がある.新しい解析法を使用したプラークの性状評価が可能となった.【方法】狭心症患者3例に対しGE社AW 4.3のPlaque MapTMを利用し64列MDCT撮像後,1ボクセル毎に冠動脈プラークのカラー解析を施行した.Schroeder分類と対応させた当院独自のCT値境界と色調(-20~50HU:soft:黄~緑色の3階調,50~120HU:intermediate:青,120~500HU:造影血管内腔:透明,500~2000HU:石灰化:赤)を決定,病変部におけるcross sectional MPR像(multiplanar reconstruction)でプラーク性状解析を行ないIB-IVUS所見と比較した.IB-IVUSでは,lipid pool (-49~-42dB:青),fibrosis(-42~-34dB:緑)~dense fibrosis(-34~-25dB:黄),calcification(-25~-11dB:赤)とIB値によりプラーク性状を規定した.【結果】CTによるプラーク性状は,症例1:安静兼労作時狭心症,soft plaque主体の90%偏心性狭窄,症例2:労作性狭心症, intermediate plaque主体の50~75%偏心性狭窄,症例3:ASO術前評価,軽度石灰化を伴うmixed plaqueの50~75%中心性狭窄であった.プラーク性状においてIB-IVUSでは,各々soft,fibrous,mixed plaqueの所見が得られCT診断と一致した.プラーク性状に応じたプラーク形態もgeometricalにほぼ一致した.しかし解像度の点でIVUS画像がCT画像に比して優れていた.【考案】冠動脈狭窄に加えプラーク情報が得られることでインターベンションの計画,心血管イベントのリスクも予測できる可能性が考えられた.さらに高分解能の検出器を積んだCTの開発により,非侵襲的MDCTで診断されるプラークは,侵襲的なIVUSと同等に診断できる可能性がある.
Bibliography:1C06
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.56.0.30.0