造影剤シリンジ容器による注入圧についての検討
CT画像診断に必要な分解能は、空間分解能・時間分解能・コントラスト分解能の3種類だが、MDCTでは前二者の分解能は飛躍的に向上した。したがって、MDCTの利点を生かすには、コントラスト分解能の向上が重要となる。すなわち、造影剤を急速注入することで対象となる臓器の造影効果を従来よりさらに高いコントラスト分解能で得られる。CT用造影剤シリンジ容器には、プラスチック製とホウケイ酸ガラス製とがある。シリンジ容器の材質の違いによって注入圧に変化が見られるか実験、検討した。造影剤メーカー4社の造影剤(オムニパーク、イオメロン、イオパミロン、オイパロミン)を同じ条件下で注入した時の注入圧の変動を比較した。〔...
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Published in | Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 56; p. 99 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2007
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-1749 1880-1730 |
DOI | 10.14879/nnigss.56.0.99.0 |
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Summary: | CT画像診断に必要な分解能は、空間分解能・時間分解能・コントラスト分解能の3種類だが、MDCTでは前二者の分解能は飛躍的に向上した。したがって、MDCTの利点を生かすには、コントラスト分解能の向上が重要となる。すなわち、造影剤を急速注入することで対象となる臓器の造影効果を従来よりさらに高いコントラスト分解能で得られる。CT用造影剤シリンジ容器には、プラスチック製とホウケイ酸ガラス製とがある。シリンジ容器の材質の違いによって注入圧に変化が見られるか実験、検討した。造影剤メーカー4社の造影剤(オムニパーク、イオメロン、イオパミロン、オイパロミン)を同じ条件下で注入した時の注入圧の変動を比較した。〔使用機器〕造影剤注入装置デュアルショット(根本杏林堂)パソコン〔方法〕 造影剤メーカー4社の造影剤シリンジ容器(オムニパーク、イオメロン、イオパミロン、オイパロミン)に水を入れて注入速度2ml/sec、3ml/sec、4ml/sec、5ml/secの時の注入圧を比較する。デュアルショットにシリンジをつけてエクステーションチューブをつたってバケツに水を注入する。注入圧データはデュアルショットに出たグラフをそのままパソコンに取り込みデータ処理する。各シリンジごとに、注入速度2・3・4・5ml/secで各々異なるシリンジ10本、計160回における注入時間(sec)と注入圧(kg/c_m2_)をグラフで表した。また5本のグラフの平均をだしてまとめた。〔結果〕 注入速度2ml/secについては、注入圧変動が2kg/c_m2_以内でメーカー間の相違はなかった。イオメロン、イオパミロンシリンジ容器は、注入速度4ml/sec以上では、注入圧変動が大きくなる傾向を示した。イオメロンシリンジは、4ml/sec以上になると、他の2メーカーより注入圧が高くなる傾向を示した。オムニパーク、オイパロミンシリンジ容器は、容器ごとの変動が少なく安定した容器であることが確認できた。注入速度が上がるにつれて注入圧の変動が少なくなった。各シリンジの5回の変動は、イオパミロンがやや変動があった。〔考察〕 今回行った実験では、使用済みシリンジ容器であり、加温、造影剤濃度、粘調度、シリコン塗布等を考慮せずに、容器本来の評価で行った。今後、臨床で行う上記の条件で検討を行っていきたいと思う。 |
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Bibliography: | 1F102 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.56.0.99.0 |