腰痛疾患の臨床徴候と診断手技 局所病態,臨床徴候,画像所見との関連を中心に

「はじめに」 腰部椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症では, 同じ腰痛, 下肢痛を呈するものの, その病態は異なり, 臨床徴候も異なる. 当然治療法, 適切な姿勢や動作の指導もことなる. では腰部椎間板ヘルニアの治療法, 適切な姿勢や動作の指導はすべて同一でよいであろうか. 主に坐位や腰椎前屈が障害された若年者の腰部椎間板ヘルニアと主に起立や歩行が障害された高齢者の椎間板ヘルニアでは, 適切な姿勢や動作の指導はすべて同一でよいであろうか. 腰部椎間板ヘルニアで腰椎前屈が障害されるものと, 腰椎後屈が障害されるものの違いは何か. Kemp徴候1)の陽性例と陰性例の違いは, 椎間板ヘルニアのどのような...

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 11; no. 1; pp. 12 - 19
Main Author 久野木, 順一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2005
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.11.12

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Summary:「はじめに」 腰部椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症では, 同じ腰痛, 下肢痛を呈するものの, その病態は異なり, 臨床徴候も異なる. 当然治療法, 適切な姿勢や動作の指導もことなる. では腰部椎間板ヘルニアの治療法, 適切な姿勢や動作の指導はすべて同一でよいであろうか. 主に坐位や腰椎前屈が障害された若年者の腰部椎間板ヘルニアと主に起立や歩行が障害された高齢者の椎間板ヘルニアでは, 適切な姿勢や動作の指導はすべて同一でよいであろうか. 腰部椎間板ヘルニアで腰椎前屈が障害されるものと, 腰椎後屈が障害されるものの違いは何か. Kemp徴候1)の陽性例と陰性例の違いは, 椎間板ヘルニアのどのような局所病態に由来するのか. これらの疑問に答えるために, これまで筆者は腰椎変性疾患の局所病態, 画像所見と臨床徴候について調べてきた. 本稿では腰痛疾患の臨床徴候を主に神経根の局所病態から再検討し, 診断や治療への利用が可能であることを示す. 「1. 下肢痛を伴う腰痛と下肢痛を伴わない腰痛」 腰椎変性疾患における腰痛は下肢痛を伴う腰痛と下肢痛を伴わない腰痛に大別される.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.11.12