膀胱に発生した malakoplakia の1 例:病理学的観察を中心として

65歳女性の膀胱に発生したmalakoplakiaの1例を経験したので報告する.腹部エコーにて膀胱内に複数の腫瘍様病変を指摘され,経尿道的切除術が施行された.病変は肉眼的に乳頭状発育を示し,臨床的に膀胱癌が疑われた.しかしながら,病理組織学的にはvon Kossa染色陽性のMichaelis-Gutmann bodyを有する組織球の集簇を認め,典型的なmalakoplakiaと診断された.免疫染色にて一部の組織球細胞質内に抗大腸菌抗体が陽性であった.大腸菌感染がmalakoplakiaの原因の1つであると言われており,本症例においても支持し得る所見であると考えられた....

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Published inJOURNAL OF UOEH Vol. 34; no. 3; pp. 265 - 270
Main Authors 北田, 昇平, 笹栗, 靖之, 野口, 紘嗣, 郭, 鑫, 田崎, 貴嗣, 山田, 壮亮, 鍋島, 篤典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 産業医科大学 01.09.2012
産業医科大学
Subjects
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ISSN0387-821X
2187-2864
DOI10.7888/juoeh.34.265

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Summary:65歳女性の膀胱に発生したmalakoplakiaの1例を経験したので報告する.腹部エコーにて膀胱内に複数の腫瘍様病変を指摘され,経尿道的切除術が施行された.病変は肉眼的に乳頭状発育を示し,臨床的に膀胱癌が疑われた.しかしながら,病理組織学的にはvon Kossa染色陽性のMichaelis-Gutmann bodyを有する組織球の集簇を認め,典型的なmalakoplakiaと診断された.免疫染色にて一部の組織球細胞質内に抗大腸菌抗体が陽性であった.大腸菌感染がmalakoplakiaの原因の1つであると言われており,本症例においても支持し得る所見であると考えられた.
ISSN:0387-821X
2187-2864
DOI:10.7888/juoeh.34.265