医学研究データの二次利用における研究参加への同意と個人情報保護の接点─日本と諸外国の制度比較
研究データの二次利用には,データ利用に対する研究対象者の信頼の確保が課題となるが,日本において研究対象者の信頼を担保する仕組みとして機能しているインフォームド・コンセントでは,医学研究に参加することへの同意と,個人情報の第三者提供の同意が区分されていない。沿革的に異なる両者を区分しないことは,一次利用における研究対象者の同意が個人情報の第三者提供の同意までしたと言えるか,疑義を生じさせないか。本稿では,研究参加の同意と個人情報の第三者提供の同意の沿革及び各国の制度から,個人情報に関する同意を研究参加の同意に含意することの適否を検討する。そして,企業が学術研究機関等から要配慮個人情報を含む人の健...
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          | Published in | 医療と社会 Vol. 35; no. 2; pp. 201 - 211 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 医療科学研究所
    
        31.07.2025
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| Subjects | |
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| ISSN | 0916-9202 1883-4477  | 
| DOI | 10.4091/iken.2025.003 | 
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| Summary: | 研究データの二次利用には,データ利用に対する研究対象者の信頼の確保が課題となるが,日本において研究対象者の信頼を担保する仕組みとして機能しているインフォームド・コンセントでは,医学研究に参加することへの同意と,個人情報の第三者提供の同意が区分されていない。沿革的に異なる両者を区分しないことは,一次利用における研究対象者の同意が個人情報の第三者提供の同意までしたと言えるか,疑義を生じさせないか。本稿では,研究参加の同意と個人情報の第三者提供の同意の沿革及び各国の制度から,個人情報に関する同意を研究参加の同意に含意することの適否を検討する。そして,企業が学術研究機関等から要配慮個人情報を含む人の健康・医療データの提供を受けて製品やサービスの開発を目的として当該データを二次的に利用する事例を念頭に置き,個人情報保護と研究データの利活用の均衡の観点から,諸外国の法制度を参考に,日本の現行法令下での対応策を考察する。 | 
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| ISSN: | 0916-9202 1883-4477  | 
| DOI: | 10.4091/iken.2025.003 |