当院に於けるRVS(Real-time virtual Sonography)を用いた腹部超音波研修の試み

【目的】Real-time Virtual Sonography(以下RVS)は、磁気センサーと超音波プローブに装着した位置センサーの位置関係により得た位置情報を、マルチスライスCT(MDCT)画像の断層画面と同期させ、超音波画像とCTのMPR像とを同一画面上にリアルタイムに表示する、新しい超音波検査機器である。当機器は、肝臓腫瘍の診断のみならず、RFA等の経皮的肝腫瘍治療に於けるナビゲーションシステムとして極めて有用である。当院では、研修医の腹部超音波検査の教育の一環としてRVSを用いた腹部超音波検査の実習を始めた。今回、その実際について報告する。【方法】以下の手順により臨床研修医の腹部超音...

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Published inNihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu Vol. 60; p. 59
Main Authors 桑山, 創一郎, 片野, 晃一, 杉山, 雅也, 伊藤, 康司, 菅原, 望, 竹園, 康秀, 埜村, 智之, 平松, 将人, 藤巻, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.60.0.59.0

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Summary:【目的】Real-time Virtual Sonography(以下RVS)は、磁気センサーと超音波プローブに装着した位置センサーの位置関係により得た位置情報を、マルチスライスCT(MDCT)画像の断層画面と同期させ、超音波画像とCTのMPR像とを同一画面上にリアルタイムに表示する、新しい超音波検査機器である。当機器は、肝臓腫瘍の診断のみならず、RFA等の経皮的肝腫瘍治療に於けるナビゲーションシステムとして極めて有用である。当院では、研修医の腹部超音波検査の教育の一環としてRVSを用いた腹部超音波検査の実習を始めた。今回、その実際について報告する。【方法】以下の手順により臨床研修医の腹部超音波研修を行った。WCTは東芝メディカル製AquilionCX、腹部超音波は日立メディコ製HI VISION Preirusを用いた。_丸1_実習に先立ち、研修医の同意のもとに、研修医自身の単純・造影腹部WCTの撮像を行う。WCTデータを院内LANにより、RVSに取り込み、腹部画像を構成しておく。_丸2_人体マネキンを被験者とし、自分のWCT画像を腹部超音波画像として腹部超音波の擬似体験を行う。WCT画像のみを超音波画像画面に描出し、当院の腹部超音波法検査手順に従い検査を施行し、検査手順と正常解剖を習得する。_丸3_次に研修医を被験者として左画面にWCT像、右画面に超音波像を描出し、超音波像とWCT像の違いを認識しつつ、超音波における正常像を習得する。_丸4_超音波像のみを画面に描出し、ルーチンの検査を行う。【まとめ】腹部超音波検査は簡便で有用な検査であるが、画像描出の手技的問題、画像の解釈の問題に加えて、昨今のWCT画像の簡便さ、迅速さ、客観的有用性から腹部超音波検査の研修が疎かになりがちである。RVSを用いることにより、腹部超音波の利点が研修医にも理解できる様になることを期待している。
Bibliography:RKS4-24
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.60.0.59.0