Turn around Time(TAT)を考慮した全自動血液凝固測定装置の検討

凝固検査は,重症外傷患者や血栓溶解療法が必要な患者において,輸血の適応や生命予後推測に関係するため迅速な検査結果が求められる。一方,検体分析までの時間は「凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス」が出され,結果が算出されるまでの時間が長くなる動きがあり,検体測定時間の短縮が求められている。今回,Turn around Time(TAT)を考慮して,積水メディカル社のCP3000を導入し,シスメックス社のCS-2000iとの比較検討を行った。ボランティア15名の採血を行い,ある曜日と同じ検査項目を測定した。結果として,検体測定開始から最終結果が算出されるまでの時間は,CP3000が21分20秒,C...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Medical Technology Vol. 68; no. 1; pp. 138 - 143
Main Authors 勢井, 伸幸, 速水, 淳, 志水, 俊夫, 多田, 遥香, 志水, 美沙, 渡辺, 光穂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.01.2019
Japanese Association of Medical Technologists
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.17-160

Cover

More Information
Summary:凝固検査は,重症外傷患者や血栓溶解療法が必要な患者において,輸血の適応や生命予後推測に関係するため迅速な検査結果が求められる。一方,検体分析までの時間は「凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス」が出され,結果が算出されるまでの時間が長くなる動きがあり,検体測定時間の短縮が求められている。今回,Turn around Time(TAT)を考慮して,積水メディカル社のCP3000を導入し,シスメックス社のCS-2000iとの比較検討を行った。ボランティア15名の採血を行い,ある曜日と同じ検査項目を測定した。結果として,検体測定開始から最終結果が算出されるまでの時間は,CP3000が21分20秒,CS-2000iが53分52秒であった。この結果より,「凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス」の遠心条件である2,000 g,10分の遠心条件に変更しても,検体が到着してから測定結果が算出されるまでの時間が短縮されることが分かった。また,今後コンセンサスを凝固検査に導入しても,検体検査が集中する時間は以前の検査方法より迅速に検査結果を算出できるようになった。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.17-160