肝胆膵領域手術後に合併した難治性胆汁瘻に対し無水エタノール注入(biliary ablation)が有効であった4例

肝胆膵領域手術における術後胆汁瘻は比較的頻度の高い合併症であり,治療に難渋することも少なくない.我々は2000年1月から2006年12月の間に,肝胆膵領域手術後に合併した難治性胆汁瘻に対し無水エタノール注入によるbiliary ablationが有効であった4症例を経験した.その内訳は,生体肝移植術後レシピエント1例,肝切除後2例,膵頭十二指腸切除後1例であった.4症例はいずれも下流胆管,腸管との交通を認めない孤立性胆管を形成した離断型の胆汁瘻であった.無水エタノール注入によるbiliary ablationを施行し,いずれも重篤な合併症なく経過し,治癒可能であった.biliary ablat...

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Published inTando Vol. 23; no. 2; pp. 188 - 193
Main Authors 古川, 勝規, 清水, 宏明, 竹内, 男, 高屋敷, 吏, 加藤, 厚, 宮崎, 勝, 木村, 文夫, 大塚, 将之, 鈴木, 大亮, 吉富, 秀幸, 三橋, 登, 吉留, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2009
Japan Biliary Association
Subjects
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando.23.188

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Summary:肝胆膵領域手術における術後胆汁瘻は比較的頻度の高い合併症であり,治療に難渋することも少なくない.我々は2000年1月から2006年12月の間に,肝胆膵領域手術後に合併した難治性胆汁瘻に対し無水エタノール注入によるbiliary ablationが有効であった4症例を経験した.その内訳は,生体肝移植術後レシピエント1例,肝切除後2例,膵頭十二指腸切除後1例であった.4症例はいずれも下流胆管,腸管との交通を認めない孤立性胆管を形成した離断型の胆汁瘻であった.無水エタノール注入によるbiliary ablationを施行し,いずれも重篤な合併症なく経過し,治癒可能であった.biliary ablationは術後難治性,離断型胆汁瘻に対して有効な治療法であると考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.23.188