下顎頭骨折に対するLag screwを用いた観血的整復固定術について

下顎骨骨折のなかでも下顎頸部高位に骨折を認める下顎頭骨折は,骨片の整復固定が難しいことから手術療法か,または保存療法かを選択するのに苦慮することがある。下顎頭骨折後の保存療法は,下顎頭の形態が回復できないことから,側方運動障害が生じることが報告され,高位下顎頭骨折に対してMiniplateやLag screwを用いて整復固定することで良好な結果が得られるとする報告が増え,外科的治療の適応が拡大しつつある。今回われわれは,2014年から2021年までに当院で加療した下顎頭骨折に対して,Lag screw法を用いて観血的整復固定を施行した6例7関節に対し,治療後の開口量および顎関節症状の有無などに...

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Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 34; no. 3; pp. 76 - 82
Main Authors 亀井, 和利, 鈴木, 雄祐, 高橋, 康輔, 枝, 卓志, 小倉, 直美, 近藤, 壽郎, 田島, 麻衣, 伊藤, 耕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 20.12.2022
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.34.76

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Summary:下顎骨骨折のなかでも下顎頸部高位に骨折を認める下顎頭骨折は,骨片の整復固定が難しいことから手術療法か,または保存療法かを選択するのに苦慮することがある。下顎頭骨折後の保存療法は,下顎頭の形態が回復できないことから,側方運動障害が生じることが報告され,高位下顎頭骨折に対してMiniplateやLag screwを用いて整復固定することで良好な結果が得られるとする報告が増え,外科的治療の適応が拡大しつつある。今回われわれは,2014年から2021年までに当院で加療した下顎頭骨折に対して,Lag screw法を用いて観血的整復固定を施行した6例7関節に対し,治療後の開口量および顎関節症状の有無などについて後ろ向きに調査した。術後の開口量は平均44.1 mmであった。術後の関節雑音(クリックまたはクレピタス)の有無を調べた結果,1例1関節で関節雑音の出現を認めた。また,1例1関節に顎運動時の下顎の偏位を認めた。以上の結果から,下顎頭骨折患者において,Lag screwによる整復固定法では比較的良好な結果が得られた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.34.76