非復位性顎関節円板前方転位に対する薬物療法を併用した顎運動トレーニングの治療成績

非復位性顎関節円板前方転位に対して顎運動トレーニングに薬物療法を併用した治療法を行い,治療成績を後ろ向きに検討した。対象は過去1年間に当院を受診した顎関節症患者のなかで,非復位性顎関節円板前方転位と診断された48例とした。同症例について,病像の説明と生活指導を行った後に,2週間以内の薬物療法を併用した顎運動トレーニングによる治療を行った。顎運動トレーニングは原則として1日3回×5分間の開口/前方/側方/後方への可動域を増加させるトレーニングと,緩徐な開口運動および手指による把持を指示した。その結果,治癒・軽快が35例(72.9%)であった。一方,治療途中の脱落例も9例(18.8%),不変例も4...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本顎関節学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 20 - 27
Main Authors 永田, 順子, 迫田, 隅男, 鹿嶋, 光司, 井川, 加織, 高森, 晃一, 吉岡, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu.25.20

Cover

More Information
Summary:非復位性顎関節円板前方転位に対して顎運動トレーニングに薬物療法を併用した治療法を行い,治療成績を後ろ向きに検討した。対象は過去1年間に当院を受診した顎関節症患者のなかで,非復位性顎関節円板前方転位と診断された48例とした。同症例について,病像の説明と生活指導を行った後に,2週間以内の薬物療法を併用した顎運動トレーニングによる治療を行った。顎運動トレーニングは原則として1日3回×5分間の開口/前方/側方/後方への可動域を増加させるトレーニングと,緩徐な開口運動および手指による把持を指示した。その結果,治癒・軽快が35例(72.9%)であった。一方,治療途中の脱落例も9例(18.8%),不変例も4例(8.3%)存在した。ほとんどの症例に薬物療法を併用した顎運動トレーニングが奏効するものの不変例や脱落例も多く,これらの改善が必要と思われた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu.25.20