腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した脾原発炎症性筋線維芽細胞性腫瘍の1例

症例は40歳の男性で,左背部痛を主訴に受診した.腹部超音波検査にて脾臓に4 cm大の腫瘤性病変を認めたが,腹部造影CT,MRIで確定診断に至らず,FDG-PETでは同部位に集積を認めた.悪性腫瘍の可能性が否定できず,腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理組織学的検査で,炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor;以下,IMTと略記)と診断した.術後9か月経過したが無再発生存中であり,脾腫瘍性病変の診断的治療において腹腔鏡下脾臓摘出術は有用と考えられた.脾原発IMTは極めてまれな疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 47; no. 10; pp. 602 - 607
Main Authors 飯田, 敦, 上田, 有紀, 五井, 孝憲, 藤本, 大裕, 呉林, 秀崇, 山口, 明夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2014
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2013.0296

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Summary:症例は40歳の男性で,左背部痛を主訴に受診した.腹部超音波検査にて脾臓に4 cm大の腫瘤性病変を認めたが,腹部造影CT,MRIで確定診断に至らず,FDG-PETでは同部位に集積を認めた.悪性腫瘍の可能性が否定できず,腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理組織学的検査で,炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(inflammatory myofibroblastic tumor;以下,IMTと略記)と診断した.術後9か月経過したが無再発生存中であり,脾腫瘍性病変の診断的治療において腹腔鏡下脾臓摘出術は有用と考えられた.脾原発IMTは極めてまれな疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2013.0296