未破裂脳動脈瘤クリッピング術の治療成績 脳動脈瘤手術初心者の経験
はじめに ISATの報告10)以後, 脳動脈瘤治療に対してコイル塞栓術を選択する機会が増加している. クリッピング術を選択する機会は減少し, 若い脳神経外科医は諸先輩方より少ない経験で良好な手術結果を期待される. しかし, 外科手術技術は一朝一夕に熟達するものでもなく, 知識のみで行うものでもないことは周知のことである. 外科手術手技教育において, 教育をする側からの意見は多く存在し, われわれ若い脳神経外科医はこれらの意見を真摯に受け止めて, どうすれば技術を身につけられるのかと考えながら, 手術トレーニングを受けている. しかしながら, 教育を受ける側からの視点に立った報告は皆無であり,...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 35; no. 5; pp. 370 - 375 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
2007
日本脳卒中の外科学会 |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs.35.370 |
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Summary: | はじめに ISATの報告10)以後, 脳動脈瘤治療に対してコイル塞栓術を選択する機会が増加している. クリッピング術を選択する機会は減少し, 若い脳神経外科医は諸先輩方より少ない経験で良好な手術結果を期待される. しかし, 外科手術技術は一朝一夕に熟達するものでもなく, 知識のみで行うものでもないことは周知のことである. 外科手術手技教育において, 教育をする側からの意見は多く存在し, われわれ若い脳神経外科医はこれらの意見を真摯に受け止めて, どうすれば技術を身につけられるのかと考えながら, 手術トレーニングを受けている. しかしながら, 教育を受ける側からの視点に立った報告は皆無であり, 実際にトレーニングを受ける者の感性で議論されることは非常に少ない. 脳動脈瘤クリッピング術を通じてエキスパートの経験知deep smart獲得のため, 初心者が留意すべき点についてまとめてみた. 対象および方法 対象は脳神経外科認定専門医となる以前の2002年9月から2004年9月までの2年間に, ベテラン指導医のスーパーバイズ, バックアップ体制の元に経験した無症候性未破裂脳動脈瘤13症例(男性4例, 女性9例), 14動脈瘤(中大脳動脈瘤8, 前大脳動脈瘤3, 内頸動脈瘤3)である. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs.35.370 |