理科における条件制御能力に影響を及ぼす要因についての一考察

本研究は,理科の問題解決における条件制御能力に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。構造方程式モデリングによる量的分析と授業時の発話の質的分析を行い,因果関係を検討した結果,条件制御能力に直接的な影響を及ぼす変数として「科学的思考力」「教師との関わりによるメタ認知」が明らかになった。また,「認知欲求」はメタ認知を媒介して条件制御能力に間接的な影響を及ぼすことが明らかになった。このことから,条件制御を扱う授業において,認知欲求を高め,教師との関わりを通して自分自身の思考過程を振り返らせる指導が有効であることが示唆された。...

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Published in理科教育学研究 Vol. 60; no. 2; pp. 385 - 395
Main Authors 中村, 大輝, 松浦, 拓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 29.11.2019
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ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.sp18017

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Summary:本研究は,理科の問題解決における条件制御能力に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とした。構造方程式モデリングによる量的分析と授業時の発話の質的分析を行い,因果関係を検討した結果,条件制御能力に直接的な影響を及ぼす変数として「科学的思考力」「教師との関わりによるメタ認知」が明らかになった。また,「認知欲求」はメタ認知を媒介して条件制御能力に間接的な影響を及ぼすことが明らかになった。このことから,条件制御を扱う授業において,認知欲求を高め,教師との関わりを通して自分自身の思考過程を振り返らせる指導が有効であることが示唆された。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.sp18017