抗真菌薬内服抵抗性の爪真菌症におけるNested PCR法を用いた菌種同定の試み

爪白癬をはじめとする爪真菌症の治療には抗真菌薬の内服療法が一般的であるが、無効例も少なからず経験する。今回我々は標準的内服治療が無効であった5症例につき、爪甲検体を用いてnested PCR法およびシークエンスを実施し、菌の検出および同定を行った。塩酸テルビナフィン内服無効症例3例のうち第1、第2症例では内服前の検体よりFusarium solani、とTrichophyton mentagrophytesがそれぞれ単独で検出された。また第3症例の内服後の爪検体からはCandida albicansが検出された。イトラコナゾール内服無効の第4症例では、内服後の爪検体よりAcremonium s...

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Published inProgram and Abstracts of Annual Meeting of the Japanese Society for Medical Mycology Vol. 52; p. 114
Main Authors 楠, 俊雄, 坪井, 良治, 室, 繭子, 海老原, 睦仁, 真田, 妙子, 槙村, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2008
The Japanese Society for Medical Mycology
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ISSN0916-4804
DOI10.11534/jsmm.52.0.114.0

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Summary:爪白癬をはじめとする爪真菌症の治療には抗真菌薬の内服療法が一般的であるが、無効例も少なからず経験する。今回我々は標準的内服治療が無効であった5症例につき、爪甲検体を用いてnested PCR法およびシークエンスを実施し、菌の検出および同定を行った。塩酸テルビナフィン内服無効症例3例のうち第1、第2症例では内服前の検体よりFusarium solani、とTrichophyton mentagrophytesがそれぞれ単独で検出された。また第3症例の内服後の爪検体からはCandida albicansが検出された。イトラコナゾール内服無効の第4症例では、内服後の爪検体よりAcremonium spp.が検出された。塩酸テルビナフィン、イトラコナゾールどちらの内服も無効であった第5症例ではTrichosporon spp.が検出された。
Bibliography:P-071(SIV-06)
ISSN:0916-4804
DOI:10.11534/jsmm.52.0.114.0