銀塩写真感光材料の放射線感度測定のための放射線均一線源の作製

放射性同位元素 RI が均一に分布し,段階的にその濃度が変化しているパッチが配列している面線源を作製した.インク ジェットプリンタのインクに RI を添加し,高いインク吸収量を持つフィルム基板に印刷することで,高い分布の均一性 を得た.各パッチへの印刷回数を変えることで,RI の濃度を段階的に変化させた.ガイガーミューラカウンター,液体 シンチレーションカウンタ,写真フィルムにより,放射能量を測定した.印刷回数の異なる各段のパッチ内の RI 濃度分 布はほぼ均一であり,また印刷回数に比例して増加した.インクの粘度調整に添加されているグリセロールが揮発性でな いため,印刷回数を重ねると印刷域外に...

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Published in日本写真学会誌 Vol. 86; no. 1; pp. 56 - 63
Main Authors 岩本, 康平, 鈴木, 弘行, 久下, 謙一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本写真学会 20.02.2023
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ISSN0369-5662
1884-5932
DOI10.11454/photogrst.86.56

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Summary:放射性同位元素 RI が均一に分布し,段階的にその濃度が変化しているパッチが配列している面線源を作製した.インク ジェットプリンタのインクに RI を添加し,高いインク吸収量を持つフィルム基板に印刷することで,高い分布の均一性 を得た.各パッチへの印刷回数を変えることで,RI の濃度を段階的に変化させた.ガイガーミューラカウンター,液体 シンチレーションカウンタ,写真フィルムにより,放射能量を測定した.印刷回数の異なる各段のパッチ内の RI 濃度分 布はほぼ均一であり,また印刷回数に比例して増加した.インクの粘度調整に添加されているグリセロールが揮発性でな いため,印刷回数を重ねると印刷域外にまで拡散し,そこに溶解している RI の分布範囲の拡大を招いた.今後グリセロー ルを含まないインクによる作製を試みる.
ISSN:0369-5662
1884-5932
DOI:10.11454/photogrst.86.56