中学校における栄養教諭及び学校栄養職員の食に関する指導の実施状況と課題の検討—小学校と中学校の比較より

〔目的〕小中学校の栄養教諭及び学校栄養職員による食に関する指導の実施状況を調査、比較することで、中学校の実態を明らかにし、課題を検討することを目的とした。〔方法〕全国10都府県の栄養教諭及び学校栄養職員にWeb調査を実施した(回収率31.4%)。479名を解析対象とし、栄養教諭と学校栄養職員の職種別、小・中学校別に、教科等における授業回数等を比較した。従属変数を授業回数とし、小学校を基準に中学校の授業回数について、オッズ比および95%信頼区間を算出した。勤務地、雇用形態、経験年数、総食数、調理場方式の5項目を調整変数とし、二項ロジスティック回帰分析を行った。〔結果〕調整変数を投入後も、小学校と...

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Published in日本食育学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 109 - 118
Main Authors 布川 美穂, 氏家 幸子, 喜屋武 ゆりか, 寺本 ミユキ, 守田 真里子, 井口 直子, 田中 延子, 石川 利恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本食育学会 25.07.2025
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ISSN1882-4773
2189-3233
DOI10.14986/shokuiku.19.109

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Summary:〔目的〕小中学校の栄養教諭及び学校栄養職員による食に関する指導の実施状況を調査、比較することで、中学校の実態を明らかにし、課題を検討することを目的とした。〔方法〕全国10都府県の栄養教諭及び学校栄養職員にWeb調査を実施した(回収率31.4%)。479名を解析対象とし、栄養教諭と学校栄養職員の職種別、小・中学校別に、教科等における授業回数等を比較した。従属変数を授業回数とし、小学校を基準に中学校の授業回数について、オッズ比および95%信頼区間を算出した。勤務地、雇用形態、経験年数、総食数、調理場方式の5項目を調整変数とし、二項ロジスティック回帰分析を行った。〔結果〕調整変数を投入後も、小学校と比較して中学校では教科等における授業回数が中央値未満となる者のオッズ比が有意に高かった(オッズ比[95%信頼区間]:栄養教諭5.35[2.60−11.90]、学校栄養職員2.61[1.17−5.85])。また、授業実施が困難な要因については、中学校の栄養教諭において「栄養教諭等の参画する授業時間の確保が困難」と回答した割合が小学校より有意に高かった(小学校17.3%、中学校40.0%、p<0.001)。〔結論〕小学校に比べ、中学校では教科等における授業回数が少ないことが明らかとなった。また、栄養教諭と学校栄養職員の職種ごとに比較しても同様の傾向が示された。
ISSN:1882-4773
2189-3233
DOI:10.14986/shokuiku.19.109