NY-198のヒトにおける薬物速度論的研究

新キノロン剤NY-198について, 7名の健常成人男子志願者を対象に, 1回200mg, 1日3回, 7日間+1回 (計22回) 連続投薬し, 血中動態, 尿中排泄, 糞中濃度ならびに安全性について検討した。なおNY-198の濃度測定はBioassay法を用いた。 平均血清中濃度のピークは1回目, 7回目, 22回目のいずれの場合も服薬後1時間にみら, その値はそれぞれ1.72μg/ml, 2.67μg/ml, 2.84μg/mlであった。血清中濃度推移においては, いずれの場合も消失で2相性の推移を示し, β相の半減期平均値はそれぞれ7.2時間, 9.6時間, 8.6時間であった。1回目の血...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement2-Base; pp. 240 - 250
Main Authors 長山, 義明, 内藤, 悟, 山田, 秀雄, 辻野, 大二郎, 島村, 健治, 高橋, 悟, 染谷, 一彦, 尾熊, 隆嘉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1988
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement2-Base_240

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Summary:新キノロン剤NY-198について, 7名の健常成人男子志願者を対象に, 1回200mg, 1日3回, 7日間+1回 (計22回) 連続投薬し, 血中動態, 尿中排泄, 糞中濃度ならびに安全性について検討した。なおNY-198の濃度測定はBioassay法を用いた。 平均血清中濃度のピークは1回目, 7回目, 22回目のいずれの場合も服薬後1時間にみら, その値はそれぞれ1.72μg/ml, 2.67μg/ml, 2.84μg/mlであった。血清中濃度推移においては, いずれの場合も消失で2相性の推移を示し, β相の半減期平均値はそれぞれ7.2時間, 9.6時間, 8.6時間であった。1回目の血清中濃度の結果でシミュレートすると4回目までは血清中濃度の上昇傾向がみられたが, それ以後は定常状態になることが示された。さらに7回目および22回目の実測値とそれらのシミュレート値を比較すると両者はよく一致しており, 連続服薬時においても線形性が保たれていることが示された。 服薬後8時間までの尿中回収率平均値は1回目37.9%, 7回目65.8%, 22回目65.0%であった。糞便中濃度平均値は2日目138μg/g, 4日目322μg/g, 6日目313μg/g, 8日目283μg/g, 最終服薬後3日目10μg/gであった。 自他覚症状および各種臨床検査においてNY-198使用に関連すると考えられる異常所見は認められなかった。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement2-Base_240