未破裂・無症候性脳動脈瘤の手術成績 高次脳機能,MRI,脳血流評価の意義

緒言 無症候性未破裂脳動脈瘤の治療成績については, 直達手術7)13)18), 血管内手術2)とも多くの報告がなされているが, morbidityやmortalityに加え, より詳細な評価が望まれる. われわれも当施設での連続症例の手術成績を検討し, 直達手術では術後高次脳機能の低下や画像上の異常所見が予想以上に高率に認められること, また血管内手術では無症候性にMRI拡散強調画像上で脳塞栓が認められることを報告した11)12)14). 今回, その後の症例を加えて直達術の手術成績を検討するとともに, 術後の神経症状, 高次脳機能障害, MRI上の異常所見や脳血流変化の関連を検討し, その意...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 34; no. 6; pp. 434 - 439
Main Authors 久門, 良明, 岩田, 真治, 長戸, 重幸, 福本, 真也, 大西, 丘倫, 渡邉, 英昭, 大上, 史朗, 伊賀瀬, 圭二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2006
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.34.434

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Summary:緒言 無症候性未破裂脳動脈瘤の治療成績については, 直達手術7)13)18), 血管内手術2)とも多くの報告がなされているが, morbidityやmortalityに加え, より詳細な評価が望まれる. われわれも当施設での連続症例の手術成績を検討し, 直達手術では術後高次脳機能の低下や画像上の異常所見が予想以上に高率に認められること, また血管内手術では無症候性にMRI拡散強調画像上で脳塞栓が認められることを報告した11)12)14). 今回, その後の症例を加えて直達術の手術成績を検討するとともに, 術後の神経症状, 高次脳機能障害, MRI上の異常所見や脳血流変化の関連を検討し, その意義を明らかにした. 対象および方法 当施設で治療した2000年以降の無症候性未破裂脳動脈瘤は70例, 73件で, 瘤検出の理由は, 頭痛, 眩暈などの精査が55例(79%)と大半を占め, 他の脳疾患(脳梗塞, 脳血管奇形, 頭部外傷)の精査が6例, 他部位の脳動脈瘤破裂が4例, 脳ドックが5例であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.34.434