サルコイドーシス肺胞マクロファージの Interleukin-6 産生

サルコイドーシス (サ症) 肺にみられる T-cell の異常を中心とする病態への Interleukin-6 (IL-6) の関与を検討するために肺胞マクロファージのIL-6産生能について検討した. 肺胞マクロファージを無添加にて培養すると健常者7例において上清中には0.44±0.15ng/ml (平均値±標準偏差値) のIL-6が検出され, サ症では12例中4例に産生亢進が見られた. P. acnes 刺激培養ではサ症では5.18±1.46ng/mlと健常者の3.34±0.39ng/mlに比較して亢進 (p<0.05) がみられた. しかしLPS刺激培養ではサ症24.49±16.36...

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Published in日本胸部疾患学会雑誌 Vol. 30; no. 3; pp. 412 - 417
Main Authors 塩見, 勝彦, 森下, 亮二, 前田, 剛, 大熨, 泰亮, 細谷, 茂衛, 飛岡, 徹, 片岡, 幹男, 木村, 郁郎, 西崎, 浩, 中田, 安成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本呼吸器学会 1992
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ISSN0301-1542
1883-471X
DOI10.11389/jjrs1963.30.412

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Summary:サルコイドーシス (サ症) 肺にみられる T-cell の異常を中心とする病態への Interleukin-6 (IL-6) の関与を検討するために肺胞マクロファージのIL-6産生能について検討した. 肺胞マクロファージを無添加にて培養すると健常者7例において上清中には0.44±0.15ng/ml (平均値±標準偏差値) のIL-6が検出され, サ症では12例中4例に産生亢進が見られた. P. acnes 刺激培養ではサ症では5.18±1.46ng/mlと健常者の3.34±0.39ng/mlに比較して亢進 (p<0.05) がみられた. しかしLPS刺激培養ではサ症24.49±16.36ng/ml, 健常者12.4±8.53ng/mlと両者間には有意な差は認められなかった. 更に P. acnes 刺激によるIL-6産生能とIL-1β産生能 (p<0.05), 貪食能 (p<0.05) さらに気管支肺胞洗浄液中リンパ球百分率 (p<0.05) との間に正の相関が認められた. 血清及び気管支肺胞洗浄液中のIL-6は微量でサ症と健常者の間には差はなかった.
ISSN:0301-1542
1883-471X
DOI:10.11389/jjrs1963.30.412