化学療法施行後に治癒切除となったHER2陽性胃癌の1例
症例は78歳の男性で,胃体部および噴門部癌があり,造影CTで肝門部および気管分岐部リンパ節転移を伴いStage IVと診断した.化学療法としてpaclitaxel+S-1療法を行い,のちにHER2陽性であることが判明しtrastuzumab+cisplatin+capecitabine療法を計17コース施行した.化学療法後の上部消化管内視鏡検査では瘢痕を認めるのみであり,転移リンパ節も著明な縮小を認めたため,幽門側胃切除術,D2+#8p・#13リンパ節郭清を施行した.術後病理組織結果では,#4dに腫瘍細胞の残存を認めたが,原発巣は組織学的CR(pathological complete res...
Saved in:
Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 53; no. 3; pp. 213 - 220 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.03.2020
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2019.0053 |
Cover
Summary: | 症例は78歳の男性で,胃体部および噴門部癌があり,造影CTで肝門部および気管分岐部リンパ節転移を伴いStage IVと診断した.化学療法としてpaclitaxel+S-1療法を行い,のちにHER2陽性であることが判明しtrastuzumab+cisplatin+capecitabine療法を計17コース施行した.化学療法後の上部消化管内視鏡検査では瘢痕を認めるのみであり,転移リンパ節も著明な縮小を認めたため,幽門側胃切除術,D2+#8p・#13リンパ節郭清を施行した.術後病理組織結果では,#4dに腫瘍細胞の残存を認めたが,原発巣は組織学的CR(pathological complete response;pCR)であった.HER2陽性胃癌の術前化学療法としてtrastuzumabを含むレジメンの有用性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2019.0053 |