術後7年以上無再発生存が得られている十二指腸原発腺内分泌細胞癌の1例

長期生存が得られている十二指腸原発腺内分泌細胞癌の1例を報告する.症例は58歳の男性で,検診にて膵頭部腫瘤を指摘され,精査にて膵頭部腫瘍疑いとなり,PETにて悪性が疑われたため当科にて手術を施行された.病理組織学的検査所見では腫瘍の主座は十二指腸にあり,腺癌の成分に加えて神経内分泌細胞癌の成分が混在していた.当時の診断で腺内分泌細胞癌とされ,2010年WHO分類では混合型腺神経内分泌癌(mixed adenoneuroendocrine carcinoma;MANEC)に相当するものと考えられた.術後補助化学療法は施行されなかった.腺内分泌細胞癌を含め,神経内分泌細胞癌は予後不良であることが多...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 50; no. 2; pp. 122 - 129
Main Authors 平野, 聡, 村川, 力彦, 鯉沼, 潤吉, 齋藤, 崇宏, 蔦保, 暁生, 山村, 喜之, 大野, 耕一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2017
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2016.0076

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Summary:長期生存が得られている十二指腸原発腺内分泌細胞癌の1例を報告する.症例は58歳の男性で,検診にて膵頭部腫瘤を指摘され,精査にて膵頭部腫瘍疑いとなり,PETにて悪性が疑われたため当科にて手術を施行された.病理組織学的検査所見では腫瘍の主座は十二指腸にあり,腺癌の成分に加えて神経内分泌細胞癌の成分が混在していた.当時の診断で腺内分泌細胞癌とされ,2010年WHO分類では混合型腺神経内分泌癌(mixed adenoneuroendocrine carcinoma;MANEC)に相当するものと考えられた.術後補助化学療法は施行されなかった.腺内分泌細胞癌を含め,神経内分泌細胞癌は予後不良であることが多いが本症例では7年以上の長期生存が得られている.進行腺内分泌細胞癌においても手術により根治しうる可能性が示唆された.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2016.0076