日帰りで行う待機的虫垂切除術の安全性と有用性
目的:日帰りで行う待機的虫垂切除術の安全性と有用性について,入院手術と比較検討した.方法:2017年1月から2021年12月までの5年間に2施設において膿瘍ドレナージ例と小児を除く待機的虫垂切除術を行った連続した256例を対象とした.これら2施設のうち一方は日帰り手術を基本としており,この施設で治療を行った症例(以下,日帰り群と略記)の治療成績や治療費用を,他方の従来の入院手術を基本とする施設での治療症例(以下,従来群と略記)を対照として後向きに比較検討した.結果:日帰り群166例,従来群90例で,手術時間中央値は日帰り群35分,従来群64分(P<0.001)と有意差を認めた.日帰り群は...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 56; no. 2; pp. 100 - 107 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.02.2023
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2022.0025 |
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Summary: | 目的:日帰りで行う待機的虫垂切除術の安全性と有用性について,入院手術と比較検討した.方法:2017年1月から2021年12月までの5年間に2施設において膿瘍ドレナージ例と小児を除く待機的虫垂切除術を行った連続した256例を対象とした.これら2施設のうち一方は日帰り手術を基本としており,この施設で治療を行った症例(以下,日帰り群と略記)の治療成績や治療費用を,他方の従来の入院手術を基本とする施設での治療症例(以下,従来群と略記)を対照として後向きに比較検討した.結果:日帰り群166例,従来群90例で,手術時間中央値は日帰り群35分,従来群64分(P<0.001)と有意差を認めた.日帰り群は全例日帰りで帰宅できた.合併症率は有意差なく(P=0.15),重篤な合併症は認めなかった.手術費用は,日帰り手術が約29万円,入院手術が約46万円であった.結語:日帰りで行う待機的虫垂切除術は,適正な適応基準のもとで安全に施行可能であり,本邦においても治療選択肢の一つになりえる. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2022.0025 |