放射線性腸狭窄バイパス術の既往のある患者のpress through package誤飲による小腸穿孔に対して経皮的ドレナージ術および経皮経瘻孔的に治療した1例
症例は71歳の女性で,1999年に子宮頸癌に対して広汎子宮全摘+リンパ節廓清を行い術後は放射線治療も行った.その後腸閉塞を繰り返し,2009年に小腸-横行結腸側々バイパス術を施行した.2014年に右鼠径部痛を主訴に当院受診しCT上,バイパス吻合部より肛門側の小腸内にpress through package(以下,PTPと略記)を確認し,その周囲に膿瘍を認めた.放射線性腸炎により外科的にPTP除去は困難で,PTPは回腸末端から50 cm以上あり大腸内視鏡下での摘出も困難と判断し,穿刺ドレナージを行いドレーンを留置した.瘻孔形成を待ち経瘻孔的に内視鏡を挿入すると,PTPを除去できた.瘻孔の自然閉...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 1; pp. 65 - 71 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.01.2018
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2017.0053 |
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Summary: | 症例は71歳の女性で,1999年に子宮頸癌に対して広汎子宮全摘+リンパ節廓清を行い術後は放射線治療も行った.その後腸閉塞を繰り返し,2009年に小腸-横行結腸側々バイパス術を施行した.2014年に右鼠径部痛を主訴に当院受診しCT上,バイパス吻合部より肛門側の小腸内にpress through package(以下,PTPと略記)を確認し,その周囲に膿瘍を認めた.放射線性腸炎により外科的にPTP除去は困難で,PTPは回腸末端から50 cm以上あり大腸内視鏡下での摘出も困難と判断し,穿刺ドレナージを行いドレーンを留置した.瘻孔形成を待ち経瘻孔的に内視鏡を挿入すると,PTPを除去できた.瘻孔の自然閉鎖を期待したが,小腸-横行結腸バイパスの機能不全が判明した.小腸-横行結腸バイパスの肛門側の小腸を切断し,口側を閉鎖して完全バイパスとし,肛門側を粘液瘻とした.経過は良好で術後20日目に退院となった. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2017.0053 |