良性限局性胸膜中皮腫の1治験例

症例は50歳女性.1985年, 検診時の胸部X線像で右上肺野に異常陰影を指摘されたが, 放置していた.1988年, 再度異常陰影の指摘をうけ, 近医で施行したCTガイド下経皮針生検でfibrous mesotheliomaが疑われたが, 悪性所見がみられなかったため経過観察となっていた.1989年6月, さらに陰影の増大傾向をみとめたため, 手術目的に当科へ紹介入院となり, 壁側胸膜癒着部位を中心として径約4cmの同胸膜を含めて腫瘍を胸壁から剥離し, 腫瘍摘出とともに腫瘍茎部の連なる右上葉S2の肺部分切除術を施行した, 術後2年の現在, 再発徴候はみられていない, 本症術後に再発や悪性化の報告...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 51; no. 5; pp. 554 - 557
Main Authors 北原, 功雄, 谷尾, 昇, 小林, 聡, 門倉, 光隆, 舟波, 誠, 山本, 登, 石原, 潤一, 今井, 俊道, 高場, 利博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1991
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.51.554

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Summary:症例は50歳女性.1985年, 検診時の胸部X線像で右上肺野に異常陰影を指摘されたが, 放置していた.1988年, 再度異常陰影の指摘をうけ, 近医で施行したCTガイド下経皮針生検でfibrous mesotheliomaが疑われたが, 悪性所見がみられなかったため経過観察となっていた.1989年6月, さらに陰影の増大傾向をみとめたため, 手術目的に当科へ紹介入院となり, 壁側胸膜癒着部位を中心として径約4cmの同胸膜を含めて腫瘍を胸壁から剥離し, 腫瘍摘出とともに腫瘍茎部の連なる右上葉S2の肺部分切除術を施行した, 術後2年の現在, 再発徴候はみられていない, 本症術後に再発や悪性化の報告もあり, 今後も十分な経過観察を要するものと考えている.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.51.554