腹腔鏡下括約筋間直腸切除術を施行した直腸原発髄外性形質細胞腫の1例

症例は27歳の男性で,2013年7月血便,便柱狭小化を主訴に近医を受診し,直腸腫瘍を認めたため当院紹介となった.下部消化管内視鏡検査で直腸Rbに3個の腫瘤(4 cm,2 cm,1.5 cm)を認め,生検の病理所見で形質細胞腫の診断となった.血清Mタンパク陰性,尿中Bence-Jones蛋白陰性であり,PET/CTでは直腸病変以外に異常集積を認めなかったため,直腸原発髄外性形質細胞腫の診断となった.肛門機能温存を希望され放射線治療(50 Gy/25 Fr)を行ったが腫瘍が残存したため,腹腔鏡下括約筋間直腸切除術を施行した.病理所見では粘膜から固有筋層に異型形質細胞の増生を認め,免疫組織化学的には...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 51; no. 2; pp. 154 - 161
Main Authors 村松, 俊輔, 堀部, 大輔, 岡崎, 靖史, 篠藤, 浩一, 尾崎, 正彦, 吉村, 清司, 大島, 郁也, 角田, 幸雄, 中川, 悠樹, 太田, 義人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2018
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2017.0028

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Summary:症例は27歳の男性で,2013年7月血便,便柱狭小化を主訴に近医を受診し,直腸腫瘍を認めたため当院紹介となった.下部消化管内視鏡検査で直腸Rbに3個の腫瘤(4 cm,2 cm,1.5 cm)を認め,生検の病理所見で形質細胞腫の診断となった.血清Mタンパク陰性,尿中Bence-Jones蛋白陰性であり,PET/CTでは直腸病変以外に異常集積を認めなかったため,直腸原発髄外性形質細胞腫の診断となった.肛門機能温存を希望され放射線治療(50 Gy/25 Fr)を行ったが腫瘍が残存したため,腹腔鏡下括約筋間直腸切除術を施行した.病理所見では粘膜から固有筋層に異型形質細胞の増生を認め,免疫組織化学的には重鎖IgM・軽鎖λのmonoclonalityを認めた.腹腔鏡下括約筋間直腸切除術を施行した直腸原発髄外性形質細胞腫の1例を経験したので報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2017.0028