肝臓および横隔膜に浸潤した巨大胃壁内転移を伴った表在食道癌の1例

症例は47歳の男性で,下血を主訴に受診した.上部消化管内視鏡検査で胸部中部食道に全周性30 mm大の0-IIc+IIa病変を認め,生検で扁平上皮癌と診断された.また,胃穹窿部に巨大胃粘膜下腫瘍を認め,CTでは同部位に10 cm大の腫瘤を認め,横隔膜,肝外側区域と近接していた.胸部食道表在癌および巨大胃粘膜下腫瘍と診断した.手術は胸腔鏡下食道亜全摘,2領域郭清,肝外側区域部分切除および左横隔膜合併切除,胸骨後経路による胃管再建を施行した.病理組織検査で胃腫瘍は肝臓,横隔膜への浸潤がある食道癌の胃壁内転移と診断された.術後補助化学療法として,5-FU+CDDP療法を2コースとS-1単剤による内服を...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 58; no. 4; pp. 185 - 192
Main Authors 吉川, 知輝, 濱﨑, 友洋, 三又, 雄大, 田村, 麻衣子, 赤井, 正明, 桑田, 和也, 池田, 知佳, 高木, 章司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.2025
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2023.0094

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Summary:症例は47歳の男性で,下血を主訴に受診した.上部消化管内視鏡検査で胸部中部食道に全周性30 mm大の0-IIc+IIa病変を認め,生検で扁平上皮癌と診断された.また,胃穹窿部に巨大胃粘膜下腫瘍を認め,CTでは同部位に10 cm大の腫瘤を認め,横隔膜,肝外側区域と近接していた.胸部食道表在癌および巨大胃粘膜下腫瘍と診断した.手術は胸腔鏡下食道亜全摘,2領域郭清,肝外側区域部分切除および左横隔膜合併切除,胸骨後経路による胃管再建を施行した.病理組織検査で胃腫瘍は肝臓,横隔膜への浸潤がある食道癌の胃壁内転移と診断された.術後補助化学療法として,5-FU+CDDP療法を2コースとS-1単剤による内服を1年間施行し,術後39か月現在無再発生存中である.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2023.0094