胸骨に発生した内軟骨腫の治療経験の1例

胸骨に発生した内軟骨腫の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した.症例は28歳女性, 1992年1月より前胸部腫瘤に気付くが放置, 翌年1月に前胸部痛が出現したため, 当科を受診した.単純X線撮影, CT, MRIより原発性胸骨骨腫瘍が疑われ, 生検の結果, 内軟骨腫と診断し, 手術を施行.胸骨膨隆部を中心に開窓, 掻爬, 自家骨とハイドロキシアパタイトを充填した.摘出標本でも内軟骨腫の病理診断であり, 術後経過も良好である.病理組織学的には, 内軟骨腫と, 分化型軟骨肉腫との鑑別は, 非常に難しいとされ, 画像診断や手術所見を加えて総合的に判定する必要がある....

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 57; no. 3; pp. 307 - 310
Main Authors 藤巻, 悦夫, 雨宮, 雷太, 小川, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.06.1997
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.57.307

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Summary:胸骨に発生した内軟骨腫の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した.症例は28歳女性, 1992年1月より前胸部腫瘤に気付くが放置, 翌年1月に前胸部痛が出現したため, 当科を受診した.単純X線撮影, CT, MRIより原発性胸骨骨腫瘍が疑われ, 生検の結果, 内軟骨腫と診断し, 手術を施行.胸骨膨隆部を中心に開窓, 掻爬, 自家骨とハイドロキシアパタイトを充填した.摘出標本でも内軟骨腫の病理診断であり, 術後経過も良好である.病理組織学的には, 内軟骨腫と, 分化型軟骨肉腫との鑑別は, 非常に難しいとされ, 画像診断や手術所見を加えて総合的に判定する必要がある.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.57.307