災害看護研修に対する医療施設のニーズ調査

A大学では,地域における大学の役割として近隣の医療機関と連携した災害看護に関する現任教育の支援を検討している.平成29年度,A大学で災害看護セミナーを開催したが,近隣の医療施設からの参加者が少なく,むしろ遠方からの参加者が多かった.そこで本研究では,A大学近隣の医療施設が求める災害看護研修の内容を把握するためのニーズ調査を行った.その結果,A大学近隣の医療施設169機関を対象に調査用紙を配布し,31機関の回答を得た(回収率18.3%).対象者は,看護職が90%を占め,そのうち41%は看護部長であった.中規模病院が48%,小規模病院が16%,診療所33%であった.対象施設の背景として,マニュアル...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本赤十字看護学会誌 Vol. 19; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 髙橋, 清美, 菅原, 直子, 山本, 孝治, 姫野, 稔子, 清末, 定美, 田村, やよひ, 黒田, 裕美, 苑田, 裕樹, 福島, 綾子, 大重, 育美, 有安, 直貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本赤十字看護学会 31.03.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1346-1346
2433-3425
DOI10.24754/jjrcsns.19.1_31

Cover

More Information
Summary:A大学では,地域における大学の役割として近隣の医療機関と連携した災害看護に関する現任教育の支援を検討している.平成29年度,A大学で災害看護セミナーを開催したが,近隣の医療施設からの参加者が少なく,むしろ遠方からの参加者が多かった.そこで本研究では,A大学近隣の医療施設が求める災害看護研修の内容を把握するためのニーズ調査を行った.その結果,A大学近隣の医療施設169機関を対象に調査用紙を配布し,31機関の回答を得た(回収率18.3%).対象者は,看護職が90%を占め,そのうち41%は看護部長であった.中規模病院が48%,小規模病院が16%,診療所33%であった.対象施設の背景として,マニュアル整備は66%であった.防災訓練の実施は77%,全職員を対象とした研修は32%であった.ニーズが高い研修では,災害の種類や特徴など基本的な知識を求めており,中でも災害時の物品整備,スタッフ教育に関する研修では病床区分による違いがみられた.
ISSN:1346-1346
2433-3425
DOI:10.24754/jjrcsns.19.1_31