急性期脳梗塞患者に対する発症初期のTrail Making Test Part Aと自宅退院の関連
【目的】脳梗塞患者における脳梗塞発症早期のTrail Making Test Part A(以下TMT-Aと略す)が自宅退院を予測するツールの一つとして有用であるかを確認することとした。【方法】急性期脳梗塞患者を対象とした,後ろ向きコホート研究である。目的変数を自宅退院の可否,説明変数を年齢,NIHSS,上肢のBRS,同居人数に加えて神経心理学的検査としてMMSE-Jを使用したモデル1,TMT-Aを使用したモデル2,その両方を使用したモデル3とし,それぞれのモデルでロジスティック回帰分析を行った。また自宅退院の予測精度をモデルごとに比較する目的で,NRIとIDIによる分析を行った。【結果】解析...
Saved in:
Published in | 日本老年療法学会誌 Vol. 4; p. 2024_012_OA |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年療法学会
22.04.2025
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2436-908X |
DOI | 10.57270/jgts.2024_012_OA |
Cover
Summary: | 【目的】脳梗塞患者における脳梗塞発症早期のTrail Making Test Part A(以下TMT-Aと略す)が自宅退院を予測するツールの一つとして有用であるかを確認することとした。【方法】急性期脳梗塞患者を対象とした,後ろ向きコホート研究である。目的変数を自宅退院の可否,説明変数を年齢,NIHSS,上肢のBRS,同居人数に加えて神経心理学的検査としてMMSE-Jを使用したモデル1,TMT-Aを使用したモデル2,その両方を使用したモデル3とし,それぞれのモデルでロジスティック回帰分析を行った。また自宅退院の予測精度をモデルごとに比較する目的で,NRIとIDIによる分析を行った。【結果】解析対象は164例であり,自宅退院群が119例であった。ロジスティック回帰分析にて,TMT-Aを使用したモデル2(p=0.009・95%CI:0.785-0.966)とモデル3(p=0.024・95%CI:0.785-0.983)の2つのモデルに,TMT-Aが自宅退院に関連する因子として抽出された。また,NRIとIDIの検討にて,モデル1とモデル2(p=0.041・IDI:0.034),及びモデル1とモデル3(p=0.034・IDI:0.033)においてIDIに有意な差を認めた。【結論】急性期脳梗塞患者において,発症早期のTMT-Aの施行秒数は,自宅退院を予測する上で重要な変数である。 |
---|---|
ISSN: | 2436-908X |
DOI: | 10.57270/jgts.2024_012_OA |