転移・再発gastrointestinal stromal tumorに対する完全切除症例の検討

イマチニブの登場により転移・再発gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の予後は劇的に改善したが,イマチニブ治療と外科的介入,特に完全切除との併用の意義は明らかにされていない.1993年から2012年の間に,転移・再発GISTと診断された23例中,完全切除を行った9例の臨床像および治療成績についてレトロスペクティブに検討した.完全切除は9例に対してのべ14回行われた.完全切除とイマチニブの併用が行われた6例は,観察期間中央値が77か月(38~109か月)で,全例が生存中である.再発GISTに対して完全切除が行われた後に,補助化学療法が行われなかった7...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 48; no. 6; pp. 533 - 540
Main Authors 西口, 幸雄, 山本, 篤, 清水, 貞利, 寺岡, 均, 山下, 好人, 豊川, 貴弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 2015
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.2014.0067

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Summary:イマチニブの登場により転移・再発gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の予後は劇的に改善したが,イマチニブ治療と外科的介入,特に完全切除との併用の意義は明らかにされていない.1993年から2012年の間に,転移・再発GISTと診断された23例中,完全切除を行った9例の臨床像および治療成績についてレトロスペクティブに検討した.完全切除は9例に対してのべ14回行われた.完全切除とイマチニブの併用が行われた6例は,観察期間中央値が77か月(38~109か月)で,全例が生存中である.再発GISTに対して完全切除が行われた後に,補助化学療法が行われなかった7例は,全例が再々発を来し,無再発期間の中央値は394日であった.イマチニブ治療に完全切除を併用することで予後の改善が得られる可能性がある.完全切除が得られても,イマチニブは早期に再開し可及的に継続投与すべきである.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.2014.0067