原発不明神経内分泌癌の肝転移の1例
肝腫瘍として見つかり,肝切除術後に原発不明神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma;以下,NECと略記)と診断された症例を経験したので報告する.症例は67歳の男性で,肝S6に20 mm大の腫瘤と肝門部リンパ節腫大が確認された.腫瘍が増大傾向にあり,PET-CTでもFDG集積が確認されたため,肝S6亜区域切除および肝門部リンパ節郭清を行った.切除標本でNECと診断され,肝S6に主病変以外にも12個の腫瘍があった.肝門部リンパ節転移もあり,原発不明NECの肝転移およびリンパ節転移と診断した.その後多発肝転移再発を認め,化学療法,オクトレオチド投与,肝ラジオ波焼灼術や肝動脈化学...
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Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 48; no. 2; pp. 94 - 101 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.2014.0022 |
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Summary: | 肝腫瘍として見つかり,肝切除術後に原発不明神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma;以下,NECと略記)と診断された症例を経験したので報告する.症例は67歳の男性で,肝S6に20 mm大の腫瘤と肝門部リンパ節腫大が確認された.腫瘍が増大傾向にあり,PET-CTでもFDG集積が確認されたため,肝S6亜区域切除および肝門部リンパ節郭清を行った.切除標本でNECと診断され,肝S6に主病変以外にも12個の腫瘍があった.肝門部リンパ節転移もあり,原発不明NECの肝転移およびリンパ節転移と診断した.その後多発肝転移再発を認め,化学療法,オクトレオチド投与,肝ラジオ波焼灼術や肝動脈化学塞栓術による加療を行った.予後不良と考えられたが,術後34か月の生存が得られた.NECは予後不良とされるが,集学的治療により生存期間延長が期待できる可能性がある. |
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ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.2014.0022 |