膝関節固定下における身体運動が脛骨前方移動に及ぼす影響―前十字靱帯機能の関与を中心として
脛骨の前後移動と身体運動の関係を膝前十字靱帯外傷群 (以下ACL外傷群: 膝前十字靱帯不全者, 再建者, 顆間隆起骨析整復者) 21名, コントロール群 (健常者) 15名, 計36名について3次元動作解析を行った.膝関節30°屈曲位固定下に身体を前後に傾ける動作中の, 大腿骨に対する脛骨前後移動距離, 身体重心, 足圧中心, 床反力前後分力, 膝関節モーメント, 大腿四頭筋・大腿二頭筋及び腓腹筋筋電図を同期計測した.脛骨前後移動距離はKnee Motion Analyzerにて, 身体重心, 足圧中心は3次元動作解析装置VICONにて, 床反力, 膝関節モーメントは床反力計のデータを加えて解...
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Published in | 昭和医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; pp. 176 - 184 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学学士会
1994
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Subjects | |
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ISSN | 0037-4342 2185-0976 |
DOI | 10.14930/jsma1939.54.176 |
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Summary: | 脛骨の前後移動と身体運動の関係を膝前十字靱帯外傷群 (以下ACL外傷群: 膝前十字靱帯不全者, 再建者, 顆間隆起骨析整復者) 21名, コントロール群 (健常者) 15名, 計36名について3次元動作解析を行った.膝関節30°屈曲位固定下に身体を前後に傾ける動作中の, 大腿骨に対する脛骨前後移動距離, 身体重心, 足圧中心, 床反力前後分力, 膝関節モーメント, 大腿四頭筋・大腿二頭筋及び腓腹筋筋電図を同期計測した.脛骨前後移動距離はKnee Motion Analyzerにて, 身体重心, 足圧中心は3次元動作解析装置VICONにて, 床反力, 膝関節モーメントは床反力計のデータを加えて解析した.膝関節固定下における身体運動中の脛骨前後移動は, 身体重心, 足圧中心, 膝関節モーメントと有意な相関関係を示した.脛骨前方移動距離が増大したのは, 身体重心後方時, 足圧中心後方時で膝関節伸展モーメントが大きくなるときであった.またACL外傷群はコントロール群に比べ身体運動中の脛骨前後移動距離が有意に大きかった. |
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ISSN: | 0037-4342 2185-0976 |
DOI: | 10.14930/jsma1939.54.176 |