内視鏡にて観察し得た閉塞性大腸炎の1例

症例は63歳男性.平成4年5月中旬より下血出現.10月下旬より便秘となり腹満感が出現したため, 当科受診となった.大腸内視鏡検査施行したところ, 肛門縁より約20cmのS状結腸にほぼ全周を占める3'型の腫瘍を認めた.狭窄部をこえてファイバーを挿入したところ, 口側15cmまでの粘膜面は正常であったが, それより口側約20cmにわたり粘膜面はやや浮腫状を呈し, 3条の縦走する潰瘍を認めた.潰瘍病変より口側の粘膜面は正常であり, 口側, 肛門側ともに病変の粘膜境界は明瞭であった.腸管閉塞に伴う閉塞性大腸炎は比較的稀であり, なかでも狭窄部を越えて内視鏡下に観察されることは少なく, 若干の...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; pp. 200 - 203
Main Authors 新井, 一成, 草野, 満夫, 村上, 雅彦, 相田, 貞継, 高田, 学, 高村, 光一, 斉藤, 肇, 鈴木, 泰志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1994
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.54.200

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Summary:症例は63歳男性.平成4年5月中旬より下血出現.10月下旬より便秘となり腹満感が出現したため, 当科受診となった.大腸内視鏡検査施行したところ, 肛門縁より約20cmのS状結腸にほぼ全周を占める3'型の腫瘍を認めた.狭窄部をこえてファイバーを挿入したところ, 口側15cmまでの粘膜面は正常であったが, それより口側約20cmにわたり粘膜面はやや浮腫状を呈し, 3条の縦走する潰瘍を認めた.潰瘍病変より口側の粘膜面は正常であり, 口側, 肛門側ともに病変の粘膜境界は明瞭であった.腸管閉塞に伴う閉塞性大腸炎は比較的稀であり, なかでも狭窄部を越えて内視鏡下に観察されることは少なく, 若干の文献的考察を加え報告した.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.54.200