思春期・青年期にある炎症性腸疾患患者と家族の体験に関する国内文献の検討

世界的に増加傾向にある炎症性腸疾患患者の発症の1~2割は小児期,特に思春期から青年期に多く見られ,小児医療の領域では移行期医療・支援も課題となっている.そこで,2007~2023年までの国内における思春期・青年期のIBD患者と家族の体験に関する研究論文を検討し,その特徴と必要な支援を明らかにすることを目的に文献検討を行った.その結果,思春期・青年期IBD患者の体験は日常的にある症状による辛さ,学校生活における困難さと辛さ,日々繰り返される療養行動,病気を抱えながら生活する思い,ソーシャルサポートに分類され,家族の体験としては,母親の心情,子どもの病気に自ら取り組む,他者からのサポートに分類され...

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Published in日本赤十字看護学会誌 Vol. 25; no. 1; pp. 43 - 52
Main Author 込山, 洋美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本赤十字看護学会 2024
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ISSN1346-1346
2433-3425
DOI10.24754/jjrcsns.25.1_43

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Summary:世界的に増加傾向にある炎症性腸疾患患者の発症の1~2割は小児期,特に思春期から青年期に多く見られ,小児医療の領域では移行期医療・支援も課題となっている.そこで,2007~2023年までの国内における思春期・青年期のIBD患者と家族の体験に関する研究論文を検討し,その特徴と必要な支援を明らかにすることを目的に文献検討を行った.その結果,思春期・青年期IBD患者の体験は日常的にある症状による辛さ,学校生活における困難さと辛さ,日々繰り返される療養行動,病気を抱えながら生活する思い,ソーシャルサポートに分類され,家族の体験としては,母親の心情,子どもの病気に自ら取り組む,他者からのサポートに分類された.思春期・青年期患者と家族との親子間の軋轢を調整しながら,疾病による生活への影響を最小限にし,より自分らしく健康を維持できるようなセルフケアを習得できることを目指し,親子双方への支援をしていくことが必要である.
ISSN:1346-1346
2433-3425
DOI:10.24754/jjrcsns.25.1_43