Rokitansky-Aschoff洞より発生および進展したと推測されるintracholecystic papillary neoplasm with an associated invasive carcinomaの1例
症例は69歳の女性で,腹部USで胆囊底部に18 mm大の腫瘤像と造影CTで同部位に早期濃染される隆起性病変を指摘され,胆囊癌の疑いで開腹胆囊摘出術が施行された.摘出胆囊の割面に充実成分と囊胞成分からなる腫瘤を認め,術中迅速診断で腺癌と診断された.肝床切除術・2群リンパ節郭清を施行した.腫瘍の大部分は拡張した囊胞内にあり,囊胞上皮を乳頭状に内反性に進展し,充実成分の基部で漿膜下層への浸潤を認めた.組織学的診断はintracholecystic papillary neoplasm(以下,ICPNと略記)with an associated invasive carcinomaとした.囊胞は腫瘍産...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 54; no. 2; pp. 118 - 124 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.02.2021
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| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.2019.0136 |
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| Summary: | 症例は69歳の女性で,腹部USで胆囊底部に18 mm大の腫瘤像と造影CTで同部位に早期濃染される隆起性病変を指摘され,胆囊癌の疑いで開腹胆囊摘出術が施行された.摘出胆囊の割面に充実成分と囊胞成分からなる腫瘤を認め,術中迅速診断で腺癌と診断された.肝床切除術・2群リンパ節郭清を施行した.腫瘍の大部分は拡張した囊胞内にあり,囊胞上皮を乳頭状に内反性に進展し,充実成分の基部で漿膜下層への浸潤を認めた.組織学的診断はintracholecystic papillary neoplasm(以下,ICPNと略記)with an associated invasive carcinomaとした.囊胞は腫瘍産生粘液が充満し拡張したRokitansky-Aschoff洞(以下,RASと略記)と推測した.RASより発生・進展したICPNはまれであり報告する. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.2019.0136 |