卵巣未熟奇形腫の3例

比較的まれな卵巣未熟奇形腫 (Immature teratoma) の3症例を報告する.発症年齢は19歳~32歳で, 3症例とも妊娠分娩歴はない.手術時, すべての症例に大綱または腹膜へ転移巣を認めており, 臨床期はStage IIIに相当する.検査成績では術前に1症例のみで, 血清AFPの測定がなされ, 高値であった.術後は3症例とも血清AFPは正常範囲内であった.腫瘍の肉眼的所見は2例が充実性一部嚢胞性で, 1例が全く充実性であった.組織学的には前2者がGrade 1, 後者がGrade3に相当した.原発腫瘍の神経成分はいずれも24.3%~38.6%と多く認められた.予後は術後1年5カ月か...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 45; no. 1; pp. 115 - 118
Main Authors 梶山, 浩, 杉本, 孝, 塩川, 章, 田代, 浩二, 橋村, 尚彦, 石束, 嘉男, 九島, 巳樹, 渡辺, 秀義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 1985
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.45.115

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Summary:比較的まれな卵巣未熟奇形腫 (Immature teratoma) の3症例を報告する.発症年齢は19歳~32歳で, 3症例とも妊娠分娩歴はない.手術時, すべての症例に大綱または腹膜へ転移巣を認めており, 臨床期はStage IIIに相当する.検査成績では術前に1症例のみで, 血清AFPの測定がなされ, 高値であった.術後は3症例とも血清AFPは正常範囲内であった.腫瘍の肉眼的所見は2例が充実性一部嚢胞性で, 1例が全く充実性であった.組織学的には前2者がGrade 1, 後者がGrade3に相当した.原発腫瘍の神経成分はいずれも24.3%~38.6%と多く認められた.予後は術後1年5カ月から2年の範囲で3症例ともに健在で, 再発は認められていない.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.45.115