血行再建を予備的に行った大型脳動脈瘤の治療 症例報告

「はじめに」脳動脈瘤における頭蓋内血行再建は通常親動脈閉塞に併用して行われたり, 分枝の温存ができなかった場合のリカバリーとして行われることが多い1-8). 大型もしくは複雑な形態の動脈瘤ではdirect clipが可能でも一時遮断は必須であり分枝血管の温存が困難であることも多い1-8). 今回, このような症例に対して瘤の操作の前にbypassを施行しdirect clippingを行った自験例を呈示する. 「対象」2001-2007年にかけて開頭手術を行った脳動脈瘤の自験例は301例(未破裂138例, 破裂163例)で, 動脈瘤操作前にバイパスを行った症例は13例である. この中でtrap...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 36; no. 4; pp. 316 - 323
Main Authors 寺坂, 俊介, 安喰, 稔, 数又, 研, 柏崎, 大奈, 牛越, 聡, 高川, 裕也, 板本, 孝治, 菊地, 統, 横山, 由佳, 浅岡, 克行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2008
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.36.316

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Summary:「はじめに」脳動脈瘤における頭蓋内血行再建は通常親動脈閉塞に併用して行われたり, 分枝の温存ができなかった場合のリカバリーとして行われることが多い1-8). 大型もしくは複雑な形態の動脈瘤ではdirect clipが可能でも一時遮断は必須であり分枝血管の温存が困難であることも多い1-8). 今回, このような症例に対して瘤の操作の前にbypassを施行しdirect clippingを行った自験例を呈示する. 「対象」2001-2007年にかけて開頭手術を行った脳動脈瘤の自験例は301例(未破裂138例, 破裂163例)で, 動脈瘤操作前にバイパスを行った症例は13例である. この中でtrappingに併用したものは8例で, それ以外はdirect clippingを目指した大型動脈瘤(未破裂2例, 破裂3例)であるが, これらの症例を呈示する. 「結果」行われたbypassは, superficial temporal artery(STA)-middle cerebral artery(MCA)bypass 2例, external carotid(EC)-radial artery(RA)-MCA bypass 2例, anterior cerebral artery A3 segment side to side(A3-3)bypass 1例, STA-superior cerebellar artery(SCA), STA-posterior cerebral(PCA)bypass 1例である.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.316